ロシアの第4++世代ジェット戦闘機まとめ+α "Su-47(S-37)

ロシアの第4++世代ジェット戦闘機まとめ(復旧版)
アメリカの第4++世代ジェット戦闘機まとめ

 ”ロシアの第4++世代ジェット戦闘機まとめ”で一応大半を網羅したつもりでしたが、Su-47を忘れていたことを思い出し、いっそ独立させたらいいじゃない、と思って独立させました。
Su-47(S-37)


 Su-47は、ロシア空軍向けの第5世代の戦闘機とされることが多いのですが、スホーイがSu-47を公式ステルス機と表現していない事と前進翼カナードのようなステルス性を損ないやすい設備を備えていることから第4++世代(第4.5世代)に分類しておきました。航空ショーでは単にマルチロールファイターとしています。Wikipedia曰く、愛称のБеркутを”ベルクート”と表記するのは誤りのようです。そのくせWikipediaには「ビェールクト、ベルクート、ベルクトとも。「ベルクート」と片仮名表記することがあるが、これは誤り。」なんていう微妙な記述がありますが・・・・。愛称はベルクトと書かれているを良く見かけます。
 この機体はロシアのMFI計画でスホーイが提案したS-32という機体のデモンストレーターです。MFIとは多機能前線戦闘機のことで、アメリカのATF計画に相当します。ATF計画で設計・制作されたのがF-22Aです。試作機なのでS-37という名前で1997年に初飛行し、2000年にSu-47という名前を貰っています。S-37という名前はSu-37テルミナートルと混同しやすく、中にはこんな凄まじい間違いまで。・・・・兄貴、箱にS-37って書いてるのになんでわざわざSu-37って書きなおすかな・・・・。箱にCy-37って書いてるやつは本物のSu-37のプラモです。ロシアにはLFI計画というものもあって、MFIがハイだとするとローにあたる計画ですが、そのLFIのスホーイ提案機もS-37という名前で非常に紛らわしいです。Su-47のS-37とLFIのS-37とSu-37・・はう。
 この機体の最大の特徴はなんといっても前進翼前進翼は見ての通り、後退翼の翼を裏返してつけたような感じのもので、後退翼と比較して失速限界が高くなり、運動性が高くなります。ただ、問題としては揚力と迎え角が相互に増加することで、ある速度で翼が破壊されてしまいます。(ダイヴァージェンスといいます)それに耐えうる翼を作ると、翼が重くなってしまい他の性能を妨げてしまいます。他にもロール方向に対して不安定であったり、最近では問題になる”ステルス性が低い”という特徴もあります。中島飛行機日本陸軍戦闘機即ち九七式戦闘機、一式戦闘機(隼)、二式単座戦闘機(鍾馗)、四式戦闘機(飛燕)の翼は僅かに後縁が前進角を持っていて、前進翼の効果のお相伴に預かろうとしていたようですが、上記のような問題から本格的には採用されてきませんでした。他の前進翼採用機としてアメリカのX-29があります。この機体は世界で初めて超音速で飛行した前進翼機でもあります。
X-29

やっぱりSu-47の方がかっこいいや・・・・。
 固定兵装は30 mm機関砲GSh-301だという説が多いです。AAMはR-77を搭載するとされていますが、これまでの航空ショーではR-73から派生したK-74を搭載していたこともありました。また、KS-172のような”戦闘機以外の対空目標を狙う”(戦闘機にはあたらないでしょうね・・・・)長射程AAMやマルチロールファイターの名前にふさわしく空対地ミサイルも搭載するようです.
 スペックの詳細は不明ですが、”機密”なのかただ単に決まっていないのかはそれこそ不明。謎の多いおんにゃのこです。外観上特徴的なのは前進翼と制御カナードですが、機体後部にも注目してやってください。2本のテイルコーンの長さが左右で違うでしょ。左側は先端が水平尾翼の後端と同じ位置にあるけれど右側は長いですね。右側には後方警戒レーダーが入ってると言われています。
 航空ショーではよく見かけますし、機体の製作途中やテスト風景は結構公開されてるのですが、残念ながら運用主をまだ見つけられないようです。Su-27の方にはいっぱい購入の話がやってくるのですが・・・・系列が違うので異母姉妹(あるいは異父姉妹)に先をこされてるというところでしょうか。正直、1機も売れないような気がしますううっ・・・・・・。