ロシア海軍北方艦隊は77歳になった

 6月1日はロシア海軍北方艦隊の誕生日です。設立されたのが1933年なので今年で77歳になります。

 北方艦隊、昔から色々とやらかしてくれました。普段はそうは思わないんですが、北方艦隊はロシアの主要艦隊の中で最も歴史の浅い、つまり若い艦隊なんです。現在だと重原子力ミサイル巡洋艦から大型対潜艦にいたるまで一通りの艦を擁していることや、現用ロシア空母としては唯一のアドミラル・クズネツォフが所属していることなどから「ロシア海軍最有力艦隊」なんて言われたりすることもあります。でも黒海艦隊は黒海艦隊でそれなりに恵まれてるし、まあ北方艦隊は規模が結構大きいというのもありますが。太平洋艦隊の状況については今更言うまでもないでしょう・・・・・・。

 北方艦隊といえば記憶に残るのは多くの戦略原潜。何を隠そう、ソ連初の戦略原潜K-19(ホテル級/658型)は北方艦隊所属です。最多期には通常動力・核動力あわせて約200隻の潜水艦を擁していた北方艦隊。もちろん、戦略原潜も多く配属されています。現在でもプロジェクト09780「ナヴァーガ」型特務原潜が同艦隊の第49潜水艦旅団に配属され、新型戦略原潜である955型(ボレイ級)1番艦ユーリー・ドルゴルキィも北方艦隊に配備されるとされているなど重要な艦隊です。

 Yak-141の搭載を前提に建造されたキエフ級4番艦(改キエフ級)「バクー」も北方艦隊に配備されていました。御存知の通りこの艦はインド海軍に無償で引渡されCV化される予定(まだ譲渡されていませんが)。艦載機はMig-29Kで、バクーのインド名はヴィクラマーディティヤ。あ、バクーはアドミラル・ゴルシコフに改名されています。アドミラル・ゴルシコフの名はロシア海軍向けの新型フリゲート:プロジェクト22350(大洋ゾーン艦)に引き継がれています。ちなみに、プロジェクト22350は2011年就役予定。

 そうそう。Yak-141といえばF-35Bにもリフトファンとかその辺の技術が使われていますね。いいぞもっとやれ。F-35Bをロシア色で染め上げるんだ。Yak-141といえばYak-38の後継機です。射出座席が傑作なアレですが、フランカー秋元氏の作品「赤い瞳、白き翼 -ALICE- 〜第3外洋機動艦隊」に出てくる架空のVTOL機「Su-63 Беркут」の設定には"2038年5月24日に完成した(捕捉:Su-63の原型である)実験機S-78は、初期に開発した物というのもあってか、性能的にはYak-38を強化した感じの物であった。"とあります。いくらスホーイVTOL機設計の経験に乏しいとはいえ、約60年前の機体と比較するのはS-78が可哀想・・・・まあどのくらい”強化”されたかの問題なんでしょうが。Su-37とMig-15を比べるのと似たようなものじゃないの?とか想いますが、技術進歩のスピードが鈍ったのかも。というか、作品の性質上現在存在する機体を引き合いに出さないと話にならないからそうしたのかも。技術売却がどんなライセンスだったかは知りませんが、Yak-141の技術がF-35B向けに売り渡されちゃった今となってはSu-63は完成しないのかも・・・・・

 ん?最初は一体なんの話をしてたんだか・・・・まあ、これからも北方艦隊は北方艦隊で頑張ってくれるでしょう。ところで新型SSNのヤーセン級はどこへ配備されるのやら・・・・・。