新型SLBMブラヴァーの試射は少なくとも2週間延期される

 以前記事に書いたとおり、2009年12月9日を最期に中断されていたブラヴァーの試射が8月9日〜12日に掛けて行われる予定でした。が、Flot.comの記事(英語)によるとその試射は行われていない模様です。

 インタファクス通信軍需産業の情報筋の言を引用して伝えたところによると、”8月9日から予定されていた試射は今のところ行われておらず、少なくとも2週間は延期されるだろう”ということです。その記事は8月10日付で掲載されているので8月24日頃から試射が再開される可能性はあります。8月9日〜12日に試射を行うと発表した時には年末までに3回のミサイル発射を行い、プロジェクト995(ボレイ級)の1番艦ユーリー・ドルゴルーキーからも発射すると述べていましたがその予定に影響があるかどうかは報道されていませんでした。また、試射延期の理由についても触れられていませんでした。

 先日のСинева(シネーワ)発射は成功しましたが、就役から一応3年は経っていますし完全新規設計のミサイルではないので枯れた部分もあったのでしょう。ブラヴァーは12回中7回打ち上げ成功という成績をマークしており、成功率は50%強ですが、まだ改良の余地は残されているようであり、失敗作と決め付けるには時期早尚です。ロシア海軍の戦略的戦力の更新はミサイルが改良型R-29RM(Синева)とブラヴァーの就役、原潜がデルタ4型(プロジェクト667BDRM)の近代化改装と新型戦略原潜プロジェクト995の就役という2つの要素で成り立っているようです。原潜についてはデルタ4の近代化は既に完了しボレイ級も1番艦が完成しています。Синеваは2007年に就役しているのでひとまずデルタ級は近代化された戦力で戦略パトロールに就くことが可能になっていきます。デルタ3型(プロジェクト667BDR)も一応稼動状態にあるようです・・・時々姿を目撃されただけですが。どうなっているか詳しくは知りません。