SLBM”ブラヴァー”がボレイ級より古い潜水艦に搭載されることはない/ボレイ級二番艦”アレクサンドル・ネフスキー”は早ければ2012年夏に就役する

 防衛産業のスポークスマンがイタルタス通信に語ったところによると、開発中の潜水艦発射型弾道ミサイルR-30”ブラヴァー”は第4世代戦略原潜タイフーン級)に搭載されることはなく、またブラヴァーを装備するボレイ級の二番艦”アレクサンドル・ネフスキー”は最も早い場合2012年夏に就役するとのこと。(flot.com)

(↑TK-208”ドミトリー・ドンスコイ)
 今年中の就役に向けてロシアが開発中の潜水艦発射型弾道ミサイルブラヴァー”(R-30/RSM-56/3М14/SS-NX-30/Булава/ブラーワ)は現在最終段階にあり、実射による試験を行なっています。実射ではブラヴァー実験艦であり、タイフーン級戦略原潜一番艦K-208”ドミトリー・ドンスコイ”を改造したプロジェクト941UM”TK-208 ドミトリー・ドンスコイ”及び実際にブラヴァーを装備するプロジェクト955一番艦”ユーリー・ドルゴルーキー”が使用されています。このため一部には「TK-208もブラヴァーを搭載して実戦配備に復帰するのではないか」という噂もあり、それを打ち消すのが目的でしょう。
 ロシア海軍は新型のブラヴァーの存在意義の肯定に躍起になっており、デルタ級が現役である以上同級の装備するR-29系列も近代化していく必要がありますが、それに関して「近代版R-29が有るのならばブラヴァーは不要ではないのか?」という意見があります。ロシア海軍側は「ブラヴァーとシネーワやライナー(共に近代化型R-29)は競合しない」と発表するなど対応にてんてこ舞いです。ロシア海軍としては運用や保管に手間のかかる純液体燃料のR-29とおさらばして潜水艦も新調して将来に向けた拡張性も確保して軍事プレゼンスも・・・と是非ともボレイ級&ブラヴァーを就役させたいところでしょうが。

 今まではR-30に関して日本語を「ブラヴァー」としていましたが世の中では「ブラーワ」が主流のようなのでどうするか考え中・・・