判明したロシア海軍救助曳船SB-36の動向

 ソマリア沖に派遣されるロシア海軍の部隊には必ず救助曳船が随伴するそうです。この随伴して行く救助曳船が一体何をしているかは今まで謎でした。が、ロシア海軍当局が今回明らかにしました。

 日曜日に、2009年10月に乗っ取った20名以上のロシア人の乗る漁船「タイ・ユニオン3」をソマリア海賊が解放しました。乗員は全員無事で健康状態も良好と言うことです。タイユニオン社のドミトリー・シポルトが言うには、同船の居る場所へ曳船SB-36が向かっているそうで、これからセーシェル(セーシェル共和国のことでしょう)まで同船を護衛するそうです。ロシア連邦海軍の公式代理人がこれを認めています。さらに海軍の公式代理人が言うには「事前の打ち合わせによると、黒海艦隊の救助曳船SB-36は、タイ・ユニオン3の安全保障と危険海域の境界線からセーシェル領海への護送に取り掛かります。
解放されたロシア市民23名が乗る船は、セーシェル諸島領海の境界線に到達した後、同国の沿岸警備隊に引き渡されます」。

 「タイ・ユニオン3」は底引網マグロ漁船で、冷凍魚と海産食品を供給するタイのグループ企業「タイ・ユニオン」に所属しているとのこと。乗船していたロシア人は引き網漁師23名(主にカリーニングラード在住)で、他にガーナ人2名とフィリピン人2名が乗船しているそうです。

 プロジェクト714救助曳船SB-36はフィンランドで建造され1982年に黒海艦隊へ編入
 [プロジェクト714救助曳船]
 満載排水量2,600t
 全長63.5m
 幅14m
 吃水5.1m、
 ディーゼル1基、3,500馬力
 速力15ノット、
 航続距離6,000海里
 乗員43名
 
 救助関係の設備として、ウィンチ、フック、消火装置、引き揚げ設備を備えており、非武装ですが現在は海軍歩兵が乗っているそうです。

 ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課