ロシアのデルタIV型戦略原潜K-407「ノヴォモスコフスク」は2010年11月に再進水する

 ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課の記事によれば、ロシアのデルタIV級戦略原潜K-407「ノヴォモスコフスク」は2010年11月に再進水するとのことです。同艦は現在、セヴェロドヴィンスク市の艦船修理センター「ズヴェズドチカ」で近代化改装中。

 3月18日のイタルタス通信の記事では「北方艦隊の戦略用途ロケット水中巡洋艦K-407「ノヴォモスコフスク」は、艦船修理センター「ズヴェズドチカ」でのオーバーホールと近代化改装の後、11月中旬に進水する。」と記述されており、K-407より前に5隻の潜水艦が同艦船修理センターで近代化を受けている。近代化を受けた艦はK-51「ヴェルホトゥーリエ」(1999年)、K-84「エカテリンブルク」(2003年)、K-114「トゥーラ」(2006年)、K-117「ブリャンスク」(2008年)、K-18「カレリア」(2010年)。寿命が10年延長されたと言う。今回のK-407の近代化を持って、プロジェクト667BDRM全艦の近代化が完了する。

 K-407は1990年にロシア海軍へ納品され、1991年水中からSLBMロシア海軍で初めて斉射し、1998年7月には同じく初めてドイツの人工衛星(2基)を搭載したスチル1ミサイルをバレンツ海の水中から発射している。また、プロジェクト667BDR(デルタⅢ型)のK-506はドイツからの依頼で1994年と97年にインターフェロンの合成機材を収容したコンテナを搭載するミサイルを発射している他、デルタ型には多くの「打ち上げ実績」がある。

 プロジェクト667B(デルタ型)はプロジェクト667A(ヤンキー型)の後継にあたる戦略原潜でR-29シリーズSLBMを搭載する。プロジェクト667BDRMは現在のロシア海軍戦略核戦力の主力で、デルタ型の内では最新のシリーズとなる。公開済みの情報では水上排水量約12,000トン、全長167m、幅12m。最大潜航深度400m、水中速力24ノット(44.5km/h)、乗組員140人で兵装として、16基の潜水艦発射型大陸間弾道ミサイル(R-29RMシリーズ)と533mm魚雷を18本搭載する。
K-407