ブラヴァー発射実験失敗の理由は5月30日に発表される/今後のテストスケジュール 

 先日(2009年12月9日)の実験でも失敗したロシアの新型SLBM"ブラヴァー"(もしくは"ブラワ")。今回の失敗の原因は5月30日に発表されるとFLOT.comが伝えています(調査委員会が設計ミスとの結論づけていた気がするんですけど)。テストは引き続き今年の夏にも行われるようです。
(ブラヴァー)
 次のテストは今年の夏に、白海で行われるようです。以前に、ロシア連邦海軍総司令部は6月下旬に行うと発表しています。既に白海は氷で覆われているので、解氷を待っているようです。このテストでよい結果が出た場合は、今年末には正式にロシア海軍ブラヴァーが引渡されます。また、ロシア海軍もそれを期待しています。ブラヴァーのテストは2006年から12回行われており、うち5回が成功しています。テストは本来ブラヴァーを搭載する艦であるプロジェクト955の1番艦”ユーリー・ドルゴルーキー”ではなく、プロジェクト941(タイフーン級)の6番艦を改造したTK-208(プロジェクト941UM)で行われています。「6月下旬に行う」テストでは、ユーリー・ドルゴルーキーとTK-208の2隻を使って計4回のテストを行う予定になっています。さらにユーリー・ドルゴルーキーからの2度目の試射ではブラヴァーを斉射するとのことです。ボレイ級にはブラヴァーを16発搭載できるので、16発のブラヴァーを発射することになります。

 以前、軍への戦略ミサイルの設計および供給に責任を持つロシア連邦宇宙庁長官アナトーリー・ペルミノフは「12〜14回の発射テストの後、海軍にブラヴァーを供給できる」と発言し、トライデントⅡが19回の地上発射試験と9回の潜水艦発射試験の後に配備された例を引き合いに出しました。

(↑射程の単位は"km"じゃなくて"ヘックス"です)

 R-30/3M30ブラヴァーはボトキンスク工場で組み立てられます。ブラヴァーは陸上発射型ICBM"トポリM"をベースにして開発された、3段式の固体燃料ロケットです。"ブラヴァー-30"という表記の仕方もあって、理由を知らなかったのですがどうも重量が30トンしか無いからのようです。ブラヴァーの射程は8,000キロを予定し、MIRV化されている為最高で10基の弾頭を搭載することが出来る。因みに、トライデントⅡは公表射程距離約7,400 km以上(推定射程距離は約11,112 km以上)で最大14発の弾頭を搭載する(ただし、核軍縮条約絡みで搭載出来るのは最大10発まで)。構造はブラヴァーと同じく3段固体燃料推進。