”「PCC-772 天安」沈没は99%魚雷」”-----ソウル新聞が報道(さあどうかな?)

 3月27日に全没した韓国の哨戒コルベット「PCC-772 天安」の沈没原因として韓国メディアは「北朝鮮艦雷撃説」を積極的に流していましたが、ソウル新聞の3日付早版は米政府関係者の話として「(沈没原因は)99%以上魚雷」だと報じたようです。また軍民連合調査団がすでに調査を行っていますが、その調査状況を今週中にも在韓米軍指揮官のシャープ司令に報告するとのことです。

(↑天安の艦尾)
 ソウル新聞は「米政府関係者」が沈没原因を魚雷とほぼ断定し、「ほかの容疑者はまずない状況」だと述べたと伝えました。4月30日にはコルベットのものではないアルミニウム片が発見されており、魚雷または機雷により同艦が沈没した可能性が高まっています(軍艦に使われるアルミと兵器の弾頭に使用されるアルミは明らかに別物として判定できるでしょう)。

 これに対し韓国政府は2日に沈没に関し物証が発見されなくても「政治的決定を下すのが指導者の任務」とし、状況証拠から北朝鮮の攻撃と判断されれば政府として対応する考えを示したと聯合ニュースが報じています。なお、柳明桓外交通商相は4月18日に天安沈没に北朝鮮が関与していた場合国連安全保障理事会への提起を検討するとKBSテレビで述べています。

(↑天安に手を下した北朝鮮艦と韓国勢が睨むサンオ級潜水艦)
 出所が明らかに不審なアルミニウムが見つかった以上、被雷・触雷の可能性は高まりますがそのアルミニウム片(そして同時に見つかったプラスチック片)はどの程度の量が確保できたのか気になるところです。無関係なブツでした、とか過去の機雷の破片でした、では洒落になりません。また、そのアルミニウム片やプラスチック片がどこの国で生産されたのかこれから調査されることでしょう。もっとも撃沈の張本人がどこの国の兵器かを完全に照合するにはもとの兵器か情報を入手する必要がありますが。ただ、魚雷攻撃が理由で沈没したと結論付けるには若干不自然な点(ソナーは何も捉えなかった)もあります。一方で機雷がコルベットを真っ二つに割くことが出来るのか、全く不明です。今後の原因究明が期待されます。