ロシア海軍は近代型R-29RMの発射に成功した

 ロシア海軍は戦略的戦力の近代化と拡充を図っていますが、またひとつ成果が出たようです。デルタ4級戦略原潜(プロジェクト667BDRM)で運用しているSLBM R-29RM(RSM-54)の近代型を2発発射することに成功しました(flot.com)。

(↑デルタ4級)
 現在のロシア海軍の主力戦略原潜であるデルタ4級戦略原潜の運用するSLBM、R-29RMは1986年に戦力化され、対応する原潜デルタ4級が建造されましたが同ミサイルの製造は1996年に中止されました。ですが、1999年には早くもR-29RMの改修型(ロシア国内愛称:Синева=紺碧・青)を製造することになり、開発を行っていました。
その近代化されたR-29RMは発射テストをくぐり抜けて2007年7月にロシア海軍に採用されていました。(2004年には耐用年数の切れたR-29RMをプーチンの目の前で発射して失敗している。罰としてプーチンプリンを食べさせられたかはわからない)


 政府機関絡みの情報筋によると、8月6日の晩にカムチャツカ半島の試験場に向かって水中から2発発射したようです。R-29RMの模擬弾頭は予定通り着弾し、ロシア海軍の代表者は「(改良型R-29RMは)完全に実用化されている」と強調しました。

国防省職員の言を引用したインタファクス通信の記事によれば、今回ミサイルを発射した艦はK-114 トゥーラ。дельфин(イルカ)というのはデルタ4級の愛称のことです。K-114は以前にもСинева(シネーワ)の発射を行っています。以前の発射の際の動画がこちらに。


冷戦時からソ連海軍の戦略原潜数はアメリカよりも少なかったわけですが、ソ連崩壊後の今となっては更にその戦力は減少しています。また、これもソ連崩壊以前からですが多くの艦が各種費用を捻出できなかったため退役してしまい、残存艦も装備の更新がままならない状態でした。が、ここに来て余裕が出てきたためロシア軍は各方面の装備を近代化しつつあります。海軍の戦略戦力の近代化が新型SLBMブラヴァーとこの改良型R-29RMであり、R-29RMは順調にその任を果たしているようです。