オーロラは見えてもそれが美しいカーテンとは限らない

 NASAは当然太陽も観測しているわけですが、先日フレアが発生しそれ由来の大量の荷電粒子が地球へと向かっているようです。その粒子が地球磁気圏に到達するのが今日辺りで、なんでも「8月4日ごろ、日本でもオーロラが見られるかもしれない」と朝日が報じているようです。

 いわゆる宇宙天気予報の一種ですが、この時期に日本でオーロラが見えるのは異例です。たまに北海道で冬に見えることはあるんですが。そんな希少なオーロラなので各方面で大きく取り上げられています。そんな記事では大抵、イエローナイフだとかで撮ってきたような立派なオーロラの写真がデーンと載っています。その下に「北欧などの地域に行かなきゃ見られないオーロラが日本でも見られる!? 」なーんて煽り文句まで書いて。確かに、オーロラは見えるかもしれません。ですが、あの立派な光のカーテンが見えるとは限らないのですよ?

これは、北海道の名寄で観測された低緯度(とは言っても結構高緯度ですが)で観測される赤いオーロラです。”低緯度オーロラ”なんて言われたりします。古くから「赤気」として観測されるこのオーロラが普段日本で見ることのできるオーロラです。なぜ赤いオーロラに成るかというと、北海道の緯度は低いので、高度150km以上の酸素原子が励起されて光る赤色の部分しか見えず、低高度で光る青色などの部分が見えなくなってしまうからです。また、SARアークというオーロラの場合は振り込む電子のエネルギーが低いため酸素原子しか励起させることが出来ません(酸素原子は励起するためのエネルギーが小さいのです)。まあ今回は関係ないでしょうが。(詳しくはこちら)

 なので、オーロラは見えるかもしれませんが、必ずしも期待してるどおりに見えるとは限らないということ・オーロラは自然現象なのででない場合もありうることを念頭においてオーロラに挑んでください。あと、方角は北の方向ですよー。オーロラが何時現れるかは分からないので粘ってみてくださいね。
写真に撮る場合ですが、低緯度オーロラは天球の低緯度部分に現れること・比較的暗いことを考えると一眼レフが有利です。固定撮影でISO400〜800で十数秒までの露出で映るでしょう。肉眼で見えてなくても写真でとると写ってる場合もあります。見るときはなるべく視界の開けてるところで長時間粘るのがこつでしょう。