新型SLBM「ブラヴァー」の試射は成功した

 久々の良いニュースです。10月7日、白海に展開していたTK-208”ドミトリー・ドンスコイ”から発射されたロシア海軍の次世代SLBMブラヴァー(ブラバー)”は予定されたコースを飛行し、カムチャッカ半島の付け根にあるクラ(Кура)射爆場に着弾しました。(Flot.com)

(↑ブラヴァー)
 ミサイルの弾道は予定されたルートを正確に辿り、条件目標を満たす形で弾頭の全てが命中したということです。これでブラヴァーの試射は全部で13回行われたことになり、うち6回が成功したことになります。今回の成功は、ミサイルに不具合がない状態で飛行したことを示します。これまで試射を行うたびに違う場所で現れる不具合をとりあえず現時点では克服することに成功したわけです。

 今年末までにあと2回はブラヴァーの試射が行われる予定です。うち1回はブラヴァー本来の搭載艦であるボレイ級(プロジェクト955)1番艦の”ユーリー・ドルゴルキ―”から行われることになります。次の試射は今回から1ヶ月〜1.5ヶ月の間を置いた後行われることになっています。

(↑ボレイ級1番艦”ユーリー・ドルゴルキ―”)
 R-30/3M30(国際協定使用呼称:RSM-56、NATO分類呼称:SS-NX-30)”ブラヴァー”(Булава)は開発を断念したSLBM”バルク”の代替として陸上配備型TCBMの”トーポリM”をベースにしたSLBM。新鋭戦略原潜”ボレイ級”(プロジェクト955)への搭載を意図している3段式ミサイル。1段目及び2段目は固体燃料推進で、3段目は再突入体が突入する際に必要な機動性を確保するため液体燃料を使用する。ベースとなった”トーポリM”と同じく高度および飛翔コースの飛行弾道を変える事が出来ると言われ、搭載する6〜10個の極超音速機動核弾頭を個別に誘導できる。また、低高度飛行特性を有するともされるため目標までの距離によっては必ずしも高い弾道を取らせる必要がない。プロジェクト955には最大で16発(12発という意見もあるが、16発の方が正しいと思われる)のブラヴァーを搭載することが出来る。試射なのではタイフーン級を改造したTK-208”ドミトリー・ドンスコイ”が主に発射を担当しているが、本来の搭載艦はあくまでもボレイ級。
【諸元】
射程:約8000km 発射重量:36.8トン ペイロード搭載量:1150Kg 全長:(コンテナからの射出時で)12.1m 弾頭部を除いた長さ:11.5m 


 ま、成功してなにより。ブラヴァーとロシア海軍そしてその関係者の方々、お疲れ様です。