ロシアSLBM”ブラヴァー”の発射は2011年に延期される

 2009年12月の試射に失敗して以来低迷していたロシアが開発中の新型SLBMブラヴァー”ですが、2010年10月7日に行われた13回目の試射の成功を皮切りに続く10月29日に行われた14回目の試射でも成功し、快進撃を進めています。そして年末のメインディッシュとして2010年12月17日に15回目の試射を行う予定でしたが・・・・・

 
 
 試射中止

 ボレイ級(プロジェクト955)を建造している企業「セヴマシ」(セヴマシュ、セヴェロドヴィンスク第402造船所などとも呼ぶ)はセヴェロドヴィンスクにあります。したがって試射は白海で行われているのですが、当然北方の海(湾)ですから、冬になると凍結するわけです。氷結すると、ミサイル発射はにっちもさっちも行かなくなります。そりゃぁあのK-19がかつて北極海でやったみたいに浮上発射するんなら話は別ですが、貴重なミサイルをそんな事で消費するわけにはいかないので、残念ながらブラヴァー発射は2011年初夏(6月以降)までおあずけです。例えば、今年3月にブラヴァー発射の予定を発表した際には「6月下旬に予定」とされていました。


(↑ブラヴァー弾頭部)
 折角ですからいつも書かないことも書いてみましょう。ブラヴァーに搭載するための弾頭ですが、当然核弾頭になります。この弾頭は2010年12月の現時点で既に設計が完了しており、ミサイルを搭載する戦略原潜ボレイ級も順調にステップを登っていってるので後はブラヴァーの完成を待つばかりです。また、その記事によればブラヴァーとそれを搭載する潜水艦群は2050年までは確実に戦略任務に就く予定だということです。

(↑ブラヴァーを発射するTK-208”ドミトリー・ドンスコイ”)
 ブラヴァーは恐らく2011年中に就役するでしょう。2011年にはブラヴァーのバッチ生産も予定されています。今年中に就役できなかったのは残念ですが、試射が2010年後半にずれ込んだので致し方無いでしょう。また来年を楽しみにしましょうかね。(秋幸華様、重大な記事のネタの提供ありがとうございました!)

ブラヴァー主要目】

システム名:3М14 <Булава> DoD番号:SS-NX-30 国際協定使用呼称:RSM-56

射程:約8000km 発射重量:36.8トン ペイロード搭載量:1150Kg 全長:(コンテナからの射出時で)12.1m 弾頭部を除いた長さ:11.5m 弾頭搭載数:6〜10発