多国籍軍がリビア攻撃を開始

 いよいよ始まった感がありますが・・・・・。リビア反体制派の要望とかお金の問題とかで地上部隊は出せませんが、出せない故に泥沼になりそうな予感が若干漂っている気がします。結局首都トリポリを落とすには地上部隊(特に戦車隊と歩兵、できれば空挺部隊)が必要ですが、多国籍軍が航空支援に徹する以上は反体制派に何とかしていただかないといけないわけで。反体制派は「政府軍の空爆さえ止めてくれれば大丈夫」って言ってるみたいですが決して自分たちが優勢なわけじゃないですからね・・・。反体制派にはT-55あたりの戦車と対空機関砲と小火器くらいしか無いわけで・・・・。

 多国籍軍によるリビア空爆はまず19日夕方からフランス空軍のラファール20機が地上の政府軍装甲部隊に対してミサイル攻撃(ってもソースが読売なので怪しいですが。爆弾投下だろ多分。(嘘言ってるとかそういう意味じゃなくて、”イージス駆逐艦”を”戦艦”って言うようなああいう感じの怪しさ。)
 続いてイギリス空軍機が攻撃に参加。英国防省のプレスリリースによると分トーネードGR.43機が”攻撃目標”を攻撃し損傷なしに帰還。国防省曰く「フォークランド紛争以来最長の距離の爆撃任務」。今回は空中給油機の支援を受けて往復4,800kmを飛行しました。ちなみにフォークランド紛争では戦略爆撃機”バルカン B.2”が往復6,300 kmを飛行しました。このときは空中給油機の為の空中給油機を付けています。両国の空爆作戦名は”エラミー作戦”。他にノルウェー空爆に参加しています。イギリス空軍はトーネード以外にもタイフーンが参加しています。
 日付も変わって20日未明、米海軍および英海軍がトリポリ周辺の軍事施設など20箇所に向かって地中海からトマホーク巡航ミサイル112発によるスタンドオフ攻撃を始めます

 アメリカの作戦名は”オデッセイの夜明け”(Operation Odyssey Dawn)。米海軍は第六艦隊が攻撃を行ったはずですが、水上艦・潜水艦からの攻撃になっています。1986年のリビア空爆も海軍機は第六艦隊から発進しています。水上艦はCTF-60所属、潜水艦(SSN)はCTF-66/69所属です。もしかしたらそのうちグローバルホークUAVも派遣するかもしれません(←ココ) William E. Gortney 海軍中将が強調するには「一般市民には危害をできるだけ加えず、攻撃によってリビア市民を脅かす危険から守る」とか。彼はまたこれが「軍事行動の第一段階」と語っています。さらに、CBSテレビは米空軍のB-2A戦略爆撃機3機がリビアの「重要な滑走路」に約40発の爆弾を投下したと報じています。
 当然通常爆弾を使用したわけですが、B-2は2,000lb級の爆弾なら1機に16発搭載することが出来ます。おそらくJDAMを投下したのでしょうが、投下弾数が3機で”約40発”なら2,000lbのGBU-31系列を使用したはずです。切り捨てすればぎりぎり40発・・・・。

 リビア国営テレビはこの攻撃による死者が48人、負傷者が150人と報じました。カダフィ大佐は「野蛮で不正な十字軍の侵略行為だ。リビア国民はあらゆる武器を取り、リビアの独立、統一、名誉を守る戦いに挑む」と国営テレビで宣言しました(BGMはカダフィーのテーマでいきますか・・・・)。トマホークを撃って来たアメリカ第六艦隊に報復するとか言ってるし。流石第三世界の小型ナポレオンは言うことが違いますね。

(↑F-16E)
 さらにさらに、イタリアが空軍基地を七つ提供したとかカタールアラブ首長国連邦F-16を参加させるべく移動中だとか(UAEは24機、カタールは4〜6:ソース)。スペイン空軍もF/A-18(お国の名前じゃEF-18)を派遣。


(↑”米英のリビア攻撃”)

(↑リビアへの112発トマホークミサイル攻撃)
 
 で、このトマホーク攻撃は米巡航ミサイル原潜「フロリダ」が担当しました。

(↑改オハイオ級イメージ)
例の戦略任務を解かれたオハイオ級戦略原潜を転用した改オハイオ級の3番艦で、154発ものトマホークを搭載できます(同じく米SSNロサンゼルス級だと10〜20発ですし、水上艦では現在最多を搭載できるタイコンデロガ級でさえ110発が最大なのでずば抜けて多いです。対地攻撃による戦略的介入を目的とした艦では最も効果的なものでしょう)。英原潜もトマホークを発射したようですが艦名は不明です。

(↑マーハム空軍基地から出撃するトーネードGR.4)

(↑出撃するトーネードGR.4)

(↑迎え撃つリビア)
 
 リビア攻撃の様子はこちらでライブアップデートされています。