ロシア海軍は4月27日に潜水艦発射型弾道ミサイルR-29RMの発射を行った

 ロシア国防省の代表者によると、4月27日にロシア海軍バレンツ海でR-29RM(RSM-54)の発射を行った。(flot.com)

 ミサイルの発射を担当したのはデルタIV級戦略原潜(プロジェクト667BDRM)の二番艦「K-84 エカテリンブルク」で、ミサイルの弾頭はカムチャツカ半島にある射爆場「Кура」(クラ)に着弾しました。「エカテリンブルク乗組員は艦長であるイーゴル・ステパネンコ大佐指揮のもと一つになり、高いプロ意識を示しました。」代表者は語った。弾頭は予定通りクラ射爆場へ着弾した。

 ロシア国防省の代表者が宣言したように、今回のミサイル発射は「海洋核戦力の信頼性検査計画」の枠内で行われました。


(↑デルタIV級)
 今回発射されたSLBM”R-29RM(RSM-54/ロシア国内愛称:シネーワ)”はロシア海軍の主力戦略兵器であり、2007年以降はより性能の強化された"R-29RMU"という改良型R-29RMがデルタ級に配備されています。ボレイ級に搭載するR-30"ブラヴァー"が完成するまではR-29系列で食いつなぐしか無いロシア海軍にとって、これらのミサイル発射訓練・試験は非常に重要です。(成功の可否は二次核報復戦力の信頼性に直結する)
 デルタIV級というロシア海軍の虎の子でもある北方艦隊のエカテリンブルクは以前から活発に活動しており、最近のロシア海軍弾道ミサイル発射(ブラヴァー関連を除く)の殆どに首を突っ込んでいる状態です。古くは2004年の6月29日と9月8日に行われたR-29RMの発射、近くは2008年10月12日に太平洋艦隊のK-506「ゼレノグラード」(デルタIII型)と共にR-29RMを発射しています。ちなみに2008年の発射の時は北方艦隊のエカテリンブルクが極東方面のクラ射爆場に、太平洋艦隊のゼレノグラードがロシア北部のチジャ射爆場へとミサイルを発射するという面白い形式をとっていました。なお、エカテリンブルクは2006年5月26日に人工衛星の打ち上げも行っています。

 R-29RM諸元
【名称】R-29RM/RSM-54 【DoD番号・NATO呼称】SS-N-23 スキッフ 【全長】16.8m 【直径】1.9m 【重量】40,300kg
【推進方式】液体燃料ロケット3段式+PBV 【誘導方式】INS(慣性航法)+天測  【最大射程】約8300km 【弾頭数】4 ※
【弾頭威力】100kt 【半数必中界】500m 【搭載艦】デルタIII級(プロジェクト667BDR)及びデルタIV級(プロジェクト667BDRM)
※条約の制限を受けない状態では最大10個の弾頭を搭載できる。