ロシア海軍は2020年に北極海向けの支援艦艇の建造を開始する

 やや旧聞に属しますが、1月2日付の記事でRIAノーボスチはロシア国防省が2020年頃に北極海での作戦行動が可能な補給艦などの支援艦艇の建造を行いたいと考えている旨を報じました。
 
 既存艦の代替として新型支援艦をUnited Shipbuildingから調達することを海軍上層部は検討しているようです。北極海での行動を念頭に置いた支援艦の建造は2020年を目処に開始されると国防省は発表しています。
 「北極海での行動が可能な支援艦の設計と建造は2020年までに開始されるでしょう。そして2016年までに海軍が11隻の補給艦とロシアの領域外における海軍艦艇の作戦行動を保証する専門艦の取得も予定されています。」
 
 国防省によれば、新型支援艦は複合的な任務を遂行できる多目的艦になるということです。この支援艦は捜索救難・航法および航行の支援を行える新世代の艦艇とのこと。単純な補給艦ではなく艦隊へ必要な支援を包括的に提供することが目的のようです。
 ロシア海軍の遠征ではたびたび重油燃焼缶を持つアドミラル・クズネツォフ等とガスタービンを搭載するウダロイ級等の艦艇への給油に関して煩雑になりがちでしたが、重油燃焼缶を持つ艦艇群が退役するまでこの手間は致し方のないことでしょう。容積さえ足りれば異なる種類の燃料を供給できれば便利なのかもしれませんが。
 また、北極海で行動できる支援艦の調達については、以前に伏線が張られています。
”ロシア海軍の近未来の展望について” 
 原子力を動力とする戦闘艦、北方海域で行動できる補給艦などを建造する方針でありガス田などの警備などが目的だろう、とその伏線の時は書いています。ガス田は口実というか目的の一つで、つまる所は「北方艦隊は”北を重視”の方針を採る」ということでしょうが。ヘリコプターのプラットフォームとしても火力投射艦としても使えそうなミストラル級は北方艦隊の戦力投射に十分に寄与する点があったと思いますが・・・。