ボレイ級は攻撃型原潜としては運用されないだろう

 先に伝えた記事の続報で、ブラヴァSLBMの無いボレイ級についての処遇に関してです。
 
 海軍中央ポータルFLOT.comによると、ボレイ級が多目的原潜として運用されるかもしれないというのは誤りだということです。
「一部のメディアが報じている、”ボレイ級戦略原潜”がロシア海軍に採用され攻撃型原潜として運用されるという情報は誤りです。」と11月1日に参謀部員がイタルタス通信にコメントしました。「戦略原潜を多目的原潜に分類することは現在実行されていないし、計画されてもいません。所謂”多目的原潜”―通常魚雷を使用する原子力潜水艦を含む―としての機能はボレイ級の核心ではありません。それよ故に、ボレイ級を攻撃型原潜として運用することは戦略爆撃機Tu-160を前線戦闘機として扱うようなものです。」参謀部員は注意を促しました。

 ”攻め”の姿勢で作戦を展開することが求められる攻撃型原潜と、自らが攻勢に出て戦果を上げるのではなく弾道ミサイルを発射する時以外はなるべく存在を秘匿することの求められる戦略原潜とでは搭載される装備は自ずと異なってきますし、第一巨大な弾道ミサイルを16発(プロジェクト955、ボレイ級)搭載するよう設計された巨大な船体が攻撃型原潜に求められる機動性を満たすはずがありません。どのみち、先に書いた記事でも述べたように、ブラヴァSLBMを運用できる状態で艦隊編成に組み込まれれるかミサイル無しで海軍に引き渡され実戦部隊への配備は保留されるかのどちらかでしょう。ショイグ国防相の決定した”試射としてブラヴァーを5発発射する”という方針からすると後者が採用される可能性が高いのではないでしょうか。