マレーシア空軍のF-5E、エンジンを抜き取られる

 東南アジアはマレーシアの空軍が運用するF-5E戦闘機のエンジン2基が盗難にあったらしい。
 盗難にあったのはクアラルンプール郊外のスンガイベシ空軍基地所属のF-5E。密かに国外に持ち出されていたことが既に同国警察によって判明しており米政府は26日までに、安全保障上の観点からマレーシア政府に具体的な説明を求めている。
 在マレーシア米国大使館の報道官曰く「米政府はメディアの報道内容に非常に関心を持っている。今回の事態を厳重に受け止め、マレーシア政府と対応を協議したい」。
 また、一部の報道によるとエンジンはアルゼンチンに輸出された形跡があるとのこと。ただ、アルゼンチンは中継地にすぎず、別に買い手がいる可能性があるとの見方をマレーシア軍関係者は示しているという。
 F-5E戦闘機は、米国製で主に第三世界をターゲットにしたF-5A・フリーダムファイターにレーダー等の電子機器を搭載した機体で、搭載可能な兵装は500lb爆弾とAIM-9SideWinder。固定兵装は機銃2丁。元が第三世界向けの機体ということもあり、ずば抜けて高い性能を持つ戦闘機だというわけではありませんが、身軽な機体にエンジンを2発搭載したことにより高い運動性能を持っています。特に低空での運動性能はずば抜けて優れており、セミアクティブ・レーダーホーミングAAMのAIM-7で撃墜するのは困難とも言われています。
 同様のF-5E戦闘機を運用している国は限られていますが、おそらくイランへ輸出されたのではないでしょうか?イランにF-5E(Saeqeh-80)がありますが、このサーエゲにはエンジンとして本来搭載できないロシア製のクリモフRD-33を搭載しています。これは、本来F-5Eに搭載されているアメリカ製エンジンをイランがおいそれとは入手出きないからで、これを考えると、あながちイランにエンジンが売却された可能性もあるのではないかと。
F-5E Tiger