Appleタブレット登場。その名も"iPad"

iPad

 いろんな所でここ数十ヶ月程”Appleからタブレットコンピューターが発売される”という噂(というより欲望)が湧いては消え湧いては消えてきました。MacWorldEXPOで出ないか出ないかと噂しあったり(毎回出なかった)、他の製品を発表するときにもサプライズで発表しないかと噂しあったり(やっぱり出なかった)、色々あったわけです。そのタブレットコンピューターがいよいよAppleから登場しました。
 今回のことの始まりは、この記事を書いた日の前日の記事のテーマだった”売上発表の場”で、ジョブズCEOが「今週中にサァプライズな製品をサァプライズに発表するよ」という趣旨の発言をした事でした。で、1月28日(現地時間27日)には発表しちゃったのです。そして、これがiPadです

 見てくれはそのまんま"iPhoneの化物"ですが、裏面はMacBookProの意匠と良く似ています。アルミ(?)を多用しているところもMacBookProとの共通点でしょう。他のハードウエアの特徴としてはiPhoneiPod touchに近いということがあげられます。後述するCPUだとかもそうです。iPhoneなんかと同じで物理的なキーボードのかわりにソフトウエアキーボードを使います。iPadのソフトウエアキーボードは十分な大きさが確保されているとのことです。ついでに、オプションとしてiPadが立てかけられるキーボード付きのDock「iPad Keybord Dock」を用意してみたり、専用のiWorkKeynote、Pages、Numbers)を提供してみたりとAppleiPhoneの化物というよりはサブノート寄りの使い方もさせたいようです。もちろんモーションセンサーや照度センサー、マイクとスピーカーは標準搭載でIEEE802.11a/b/g/nやBluetooth2.1+EDRにも対応。無線接続関連が充実しているのはAirMac登場以降のApple製品の常ですが、なかなか豪華な装備です。Windows搭載のタブレットPCIEEE802.11a/b/g/nとBluetoothに標準対応してる機種なんかはまず無いでしょうから(BTOとかで組み込めるかもしれませんが)。で、豪華な装備とくれば気になるのがバッテリーの持ち時間。AppleiPod tuch/iPhoneでの前科もあって気になるのですが、iPadではリチウムイオンポリマーバッテリーを採用。容量は2500mAhで、Webブラウズや動画再生、音楽再生をしながら連続で10時間の駆動が可能。”何もしないで電源だけ入れた状態で10時間”ではなく”、Webブラウズや動画再生、音楽再生をしながら10時間”ですから、大したもんですし、わかりやすい表記で何よりです。後はiPad(のバッテリー)が破砕手榴弾にならないことを祈るばかり。
 ストレージはフラッシュメモリで16GB/32GB/64GBの3種類。iPod tuchでは16GBモデルが無くなったのに、また復活してるという。メモリ容量の側面から考えると、iPhone寄りと言えるでしょう。即ち、iPhone/iPod tuchの感覚でサブノートの作業ができるっていうのかウリなんでしょうね。大きさは幅189.7×高さ242.8×厚さ13.4ミリ。B5よりもやや大きい感じです。画面はマルチタッチ対応の9.7型ワイド液晶で解像度はXGA(768×1024ピクセル)。重量は重量はWi-Fiモデルが約680グラム、Wi-Fi+3Gモデルは約730グラム。やや重い感じはしますが、使い方にもよるでしょう。
 CPUには”Apple独自開発”の怪しいお札の付いた「Apple A4」なるプロセッサ。A4がなんだかPowerPC G4を彷彿とさせます・・・。クロックは1GHz。最近のCPUと比較するとクロックは低いものですが、用途が用途ですし、OSもiPhoneOSですから、さほど問題にはならないでしょう。Apple公式の動画を見れば凄くサクサク動作ですし。コアの数やアーキテクチャなんかは非公開です。
A4
 同じiPhoneOSだから当たり前じゃんとか思ってしまったのですが、なんとiPadではiPhone向けに開発された、14万タイトルを超えるApp Storeのアプリが、ほぼすべてそのまま動作します。つまり、iPhoneのCPUはA4と似たようなアーキテクチャだと言う事。そして、次期iPhoneにはこのA4が採用される可能性があるということでもあります。もっさりな感じが最近ではするようになった(個人的にですよ)iPhone。その原因がメインメモリの少なさなのかCPUのせいなのかは分かりませんが、とにかく速くはなりそうです。
 今回はiPhoneOSのメジャーアップデートはお預けで、失望した人もいたようです。今回提供されたのはiPhone OS 3.2。これは現行の3.1と比べて0.1上がっただけなので、iPadへの最適化が主な目的のようです。アプリ開発用のiPhone SDKiPhone SDK 3.2 βが提供されましたが、これも現行のiPhone 3.1 SDKのマイナーバージョンアップ版のようです。(当てにならない)噂ではiPadの発表と同時にメジャーバージョンアップ版となるiPhone OS 4.0のSDKが公開されると言われていたのですが、仕方ありません。日本での発売はソフトバンクがやるんだろうなぁ。
 値段は5万円弱から7万円強位まで.(単位はドルなので、正確にはまだ)値段は、16GB の Wi-Fi モデルが499ドル、32GB の Wi-Fi モデルは599ドル、64GB の Wi-Fi モデルは699ドルで、Wi-Fi + 3G モデルの価格は、これらの130ドル増しとのこと。
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