フランスのミストラル級揚陸艦のロシアへの売却続報

 まず一つ目。
 今週月曜日、フランス大統領ニコラ・サルコジは、アメリカ合衆国国防総省長官ロバート・ゲイツとの会談において、ミストラル型ヘリコプター母艦のロシア売却は、軍事的脅威に直結するという懸念に対して反論したそうです。(http://www.rian.ru/world/20100209/208306695.html ロシア通信社ノーボスチ)
 同日、フランスは「ミストラル」型ヘリコプター母艦1隻のロシア売却に同意。ロシアはさらに3隻のミストラル型の取得を要望していますが、いずれにせよミストラル級がロシアへ売却される可能性は高くなりました。

 アメリカ国防総省報道官ジェフ・モレリは、この取り引きに関して、東ヨーロッパのアメリカの同盟国、特にグルジアに対して不安を与えると表明していましたが、「不安を与える」という点でアメリカとフランスの見解は異なっていました。関係者によれば「私達がロシアをパートナーとして扱わなければ、彼らがパートナーとして振舞ってくれる事は期待できないんじゃないですかね」とサルコジ氏は話していたとのこと。つまり、ゲイツは「ロシアへ輸出することが脅威」という捉え方でサルコジは「ロシアへ輸出しないことが脅威」という捉え方をしているわけです。
 現在、フランスにはミストラル級は2隻(ミストラル・トネール)存在し、いずれも現役でフランスでは最新鋭のヘリコプター搭載型揚陸艦。フランスのメディアによるとミストラル級のユニットコストは4〜5億ユーロだという。 ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課

 そして2つ目。
 ミストラル級購入に関しては近いうちに首脳レベルの会談で決定されるそうです。(http://www.rian.ru/defense_safety/20100209/208350558.html ロシア通信社ノーボスチ)
 これまでにロシアでは、外国からの軍艦の購入に関し、意見の一致に至らなかったそうです。また「この問題の解決に関する擁護者および敵の双方が居ます」という代理人のコメントも有ります。つまり、可能性は高まったもののまだ確定したわけではないということでしょうか。
 そして一番重要なのは「肯定的な結論が出た場合、同タイプの最初の艦は、1990年代に艦の修理資金不足により大幅な戦闘リソースの減少に悩まされた太平洋艦隊を強化する為、極東方面に配備する計画です」という部分。確かに、太平洋艦隊は黒海艦隊や北洋艦隊よりもホイホイ艦が引き抜かれていきましたが・・・・・。ともかく、ミストラル級は太平洋艦隊に配備されるようです。
ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課