F-35Bが初めて垂直離着陸に成功

 本日3つ目の記事です。
 JSF(統合打撃戦闘機)の名称で開発が進められているF-35シリーズのうちの一つF-35B(STOVL型)が18日に初めて垂直着陸に成功したと米ロッキードマーチン社は発表した。F-35はB型以外は計画に大幅な遅れが生じている。
(F-35B)
 F-35Bは米海兵隊向けのSTOLV型(短距離離陸・垂直着陸型)で、リフトファンを搭載する手法を採用している。前部圧縮機からの高圧空気噴射とジェットエンジンの高温排気をスラスト・ベクトル・ノズルで下方へ噴射するハリアー系列機と同じような、X-32が採用していた直接排気方式では滑走路を痛める恐れがある為F-35Bではリフトファンが採用された。反面リフトファンを装備する場合、水平飛行中は不要なので重量と空間が無駄になってしまう。F-35Bは燃料タンクのスペースを犠牲にしている。なお、機関砲はA型のみが固定兵装として装備し、B・C型はステルス性を持つガンポッドを外付け装備する。

 F-35Bは米海兵隊の他、米空軍もA-10の後継機として導入を検討中で英海軍もシーハリアーの後継としてF-35を予定中だが、クイーン・エリザベス級航空母艦の就役を前提としてB型ではなくC型を充当することも検討しているとのこと。またイスラエルも50機のF-35B取得を希望している。シーハリアーつながりで行けばインド海軍はシーハリアーを運用しており後継機を検討していたが、こちらはMig-29Kを導入している。もっとも、インドが新たに取得するのはいわゆる軽空母では無く正規空母の類に入る旧アドミラル・ゴルシコフなのですが。

 現在計画が予定通りに進んでいるのはF-35Bのみで2014年に就役を開始する予定。F-35AとCは計画の大幅な遅れに伴う調達コストの高騰も発生しており、日本の今次F-X計画にも大きな影響を及ぼしている。隣国キムチ韓国はF-35Aを空軍に導入予定で、無理せず第4.5世代機を導入するか第5世代機を導入するかによって明暗が分かれる可能性がある。ただ、F-35はマルチロールファイターでも攻撃を担当する型で米空軍ではF-22F-15がお出ましになる前に地上の対空兵器を一掃する役目をF-16と共に負う。そのため要撃任務を主とする我れがJASDFでは不向きとも言える。某シュミレーションではユーロファイターとの戦闘でけちょんけちょんに負けていたようですし。もっともユーロファイターにしても最新型のトランシェ3を導入するためには戦闘機の減勢を覚悟する必要があります。でも、日本では自衛隊の定数と公務員の給料は一度減ったら戻らない。F-4EJ改をさらに改修するってのもアリですが。