映画「K-19」


 今日(3月22日)の27時(3月23日0300時)からBS-TBS(BSデジタル6ch)で映画「K-19」を放送します。録りたい人は忘れずにとり、リアルで見たい人はリアルで見ましょう。

 この映画は実話を元にしたもので、ソ連海軍初の戦略原潜ホテル型(プロジェクト658)1番艦「K-19」で起こった事件を描いています。ネタバレになるので詳しくは言いませんが、K-19は初期の原潜ということもあり原子炉関連の事故が多発し、就役から僅か1ヶ月後で映画で描かれる事故が起こりました。当時のK-19の乗員のほぼ全員が死亡し犠牲になったK-19の乗員以外にも、K-19放射能に汚染された飲食物を陸上部隊の兵士が盗んで食べるという事件があったようで、犠牲者数は今だ不明だそうです。この事故後、K-19は「ヒロシマ」という名前をもらいました。その後も1972年に事故を起こし、その際に救助に動員された水上艦艇数は27隻にのぼりその乗組員2名が殉職しました。現在K-19は博物館として保存されています。
1972年2月に火災を起こし緊急浮上するK-19
 K-19は1962年から63年にかけて最初の事故で故障した原子炉を撤去し、新しい原子炉を挿入する作業をセヴェロドヴィンスクの第402造船所で行い、旧い原子炉はカラ海のアボロモシモフ湾(水深20m)に投棄されました。ソ連が第1世代原潜の原子炉を秘密裏に投棄することは多々あったようです。1967年から68年にかけてK-19SLBMにR-13型を搭載する658型からR-21を搭載する658M型へと改造されました。R-13は水上発射型でR-21は水中発射型です。1973年から1974年にかけても核燃料を交換し、竣工から17年たった1977年に戦略任務を解かれ1983年に658S型通信艦「KS-19」として現役に復帰しました。この改造工事中の年の間にも2度の火災事故が発生し6名の乗員が負傷しています。KS-19は1990年4月19日に除籍され、2003年には遂に解体作業が開始されました。が、K-19の元乗員15名が解体延期を嘆願し、ロシア潜水艦隊設立100周年に当たる2006年に博物館として永久保存されることになりました。

 あ、見たらわかると思いますが本物は司令塔側面に「K-19」って書かれてるわけじゃないですよ。番号が書かれていたことはありますが。その番号も確か撹乱用だった筈。