ビル・ゲイツの原子炉

 今K-19の一次冷却水が漏れるところあたりを見ています。そんな時に丁度このニュース。
 ビル・ゲイツは現役時代に宣言したように、慈善活動に精を出しています。そのビル君、今度は原子炉に興味を持ったようです。東芝は、ビル・ゲイツが出資する「テラパワー(TerraPower)」(なんちゅう名前)というベンチャー企業から技術協力の要請を受けたとのことで、今後正式に技術協力するかどうかを詰めて行くとのこと。
 バックにビル君のいる「テラパワー」が開発を進めているのは「TWR」(日本語では「進行波炉」というそうです)という次世代原子炉。ソースが産経新聞ですが、出力10万〜100万キロワット規模になる可能性が高いんだとか。TWRは燃料に濃縮ウランを使う必要がなく天然ウランだとか、今問題になっている、濃縮ウランを生成する際の副産物である劣化ウランを燃料にします。んなので、実用化されれば放射性廃棄物を減らせてしかも燃料交換が最長100年間不要(!)と見込まれているとか。
 一方、東芝東芝で「4S」(出力約1万キロワット)なる小型原子炉の実用化を目指しているとのことですが、この「4S」が「TWR」と技術的に共通点が多いんだと。
 問題は、最長100年間もの核反応に耐えれる素材探しと安全の検証だそうで、すぐに実用化というわけには行かなさそうです。産経曰く「素材の開発には10年以上かかる可能性がある」との事ですが、両者が協力してかつ素材の開発に成功すれば東芝が量産を担当するだろうとのこと。
TWRのイメージ
 アメリカの最新鋭SSN「ヴァージニア級」、ロシアの「プロジェクト885(ヤーセン型)」に搭載の原子炉(ヴァージニア級にはGE S9G、ヤーセンにはKPM)は共に核燃料棒の寿命は船体の寿命とほぼ等しくなっているので、燃料棒は一応交換不要のようです。

 /.J 
 朝日
 TerraPower raises its profile amid new focus on nuclear energy