韓国海軍の浦項級コルベット「PCC-772天安」乗組員の遺体が見つかる/韓国の考える沈没原因

 3月26日〜27日未明にかけて沈没した韓国の哨戒艦「PCC-772天安」の乗組員の遺体が収容されていたようです。

 朝日新聞の記事によると、韓国軍は4月3日に沈んだ艦尾部分から1人の遺体を引き上げたとのこと。ほかの行方不明者も艦尾部分(の機関室や居住区)に閉じ込められていると見られていますが、悪天候や現場の状況によって引き上げがままならない状態のようです。まあ、沈没事故を起こしてすぐに沈没艦を曳航していけた例なんて無いはずなので(あっても偶然じゃないかな)特に韓国の不手際というわけでもないでしょう。まあ、反政府派とか一部の日本人なんかには格好のネタになるんでしょうが。因みに韓国国防省は3月28日、「艦橋や甲板にいた乗組員の多くは爆発後、救助する余裕があった。しかし艦尾乗組員は脱出する余裕もなかったと思われる」と述べています。
(天安と同型艦のPCC-777 大川)
 金国防相は2日の国会で沈没原因について「内部爆発や金属疲労は考えにくい」とし(?)、魚雷や機雷など外部からの攻撃や座礁の可能性は否定できないとの見方を明らかにしました。さらに、「機雷よりは魚雷の方が可能性がある」と付け加え(??)3日付の大手紙は一斉に図解入りで魚雷説を大きく伝えたそうです。

 内部爆発はともかく、金属疲労で無いのなら、なぜ艦体の分断面が滑らかな直線になるのでしょうか。まあ、引き上げて詳細な検査を受けたわけではないので何とも言えませんが。「機雷よりは魚雷の方が可能性がある」というのは、「当該海域は韓国海軍が何十年も哨戒を続けてきた海域であって、今更未知の機雷などが出てくるは筈がない」というのが根拠なのでしょうか?北が北沿岸に敷設していた係維機雷が浮流機雷となってやってきた可能性はどの程度と考えているのか、北がその海域に機雷を敷設した可能性はどの程度と考えているのか、知りたいところです。魚雷攻撃であるならば、例のステルス魚雷艇かもしれない、と韓国メディアは報じています。まあ、一理ありますが、小型で木製の船でおまけに乾舷が低けりゃレーダーにはそうそう映らないと思いますがね。もし今回の事故の原因が魚雷攻撃であるならば、天安のソナーはどうなっていたのでしょうか。現場海域が相当荒れていたという話も聞きませんし、あの海域は韓国海軍にとってもおなじみなので「海洋データが不足している」なんて事にはならないはずです。魚雷の高速スクリュー音を捉えることが出来ないのなら、対潜型コルベットたる天安の存在意義がまるでありません。「韓国当局がソナー員の話をブロックしてる」なんて言い出したら切りがありませんが。僕は艦体疲労、そうでなければ内部爆発か機雷だと思うのですが・・・・・。っておい。韓国メディアとやら。このときはこぞって「艦体疲労説」を報道したんじゃないのか?別に「ぶれた」とはいわんが。

 韓国海軍は、天安後部で爆発があった時刻を2145時としていましたが、2120時ごろに訂正しています。救助された乗組員も、韓国海軍ではなく韓国海上警察が収容していたようです。また、艦尾の沈没地点は軍ではなく漁船が先に発見していたとのことで、これは韓国軍の失態と見なされても仕方ありません。天安の捜索に従事していた「ベテラン特殊部隊員」が3月30日に殉職し、4月2日夜には捜索に協力していた民間の漁船が貨物船と衝突・沈没し、そのための救助活動が始まっているとのこと。

 さてさて、韓国政府は地方選挙を目前にしてこの事故なので政治的ダメージは大きそうです。大統領は与党議員に1日「危険な動きだ。証拠もなしに北の関与だという予断を持つべきでない」と語り、大統領府関係者は「北の仕業であれば大ごとだが、逆に無関係ということが判明しても、南北関係に悪影響を及ぼしかねない」と懸念しているようです。