新型SLBM「ブラヴァー」発射テストは2010年11月から再開される

 ロシアが開発中の新型SLBMブラヴァー」(ブラバー)のテストは2010年11月より再開されるとのことです(flot.com)。

 以前の報道では「6月下旬に実施」と言う事でしたが延期されていたようで、6月下旬に実施予定→延期決定→再開が11月(イマココ)という流れだったようです。アナトリーセルジュコフ国防相がローマで行われたロシアとイタリアの外相/国防相の会談後に語ったとのこと。

 「"Bulava"は、これから海軍の戦略核戦力の基礎になるべきであり、このロケットの下に、横たえられた新しい潜水艦が既にありました。」(flot.com)しかし、テストは12回のうち成功したのは5回のみです。とはいえ、まだ失敗作と決めつけるのは早計のようですが。「横たえられた新しい潜水艦」とはもちろんボレイ級(プロジェクト955)の事です。が、今までのテストは一旦戦略任務を解かれたタイフーン級を改造したブラヴァー実験艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(プロジェクト941UM)で行われてきました。前回の報道ではTK-208とプロジェクト995の2隻から計4回の試射が予定されていて2回目の試射では一斉発射ということでした。前回のブラヴァーの発射は12月9日で、失敗していました。冒頭で書いたように、当初は6月下旬に次のテストが行われる予定でしたが、延期されており今回次の予定が決まったという流れです。

(プロジェクト995)
 ブラヴァー発射の失敗は組み立てにあると分析されています。前回の実験失敗後に「ロシア防衛産業複合体の情報筋」は「「おそらく、飛翔開発製造試験のシーケンスは、大幅に再考されるでしょう。」と述べています。次のテストでは前回の失敗の原因を踏まえて改良されたタイプが登場してくるでしょう。また彼は「試射は、2回ではなく、もっと多くなるでしょう」とも述べていましたが、再開が11月となると否応なく試射の回数は少なくなるでしょうね。海軍も今年夏の就役を期待していた面もあるので大幅延期は辛いところでし、ボレイ級も遊ぶことになります。まっ、「原潜はあるのにミサイルが無い」なんて事はソ連海軍のころからよく有ったことですが。例えばオスカー級初期型(プロジェクト494)の時もP-700就役前に1番艦が就役しています。チャーリー級の時もミサイルと艦の試験が並行して行われていました。あれ?例がSSGNばっかりだわ。

 アナトリーセルジュコフ国防相は「私たちは、これで正確に誤りを見つけることができると予想します」と語っています。そりゃ現状を鑑みれば早期就役させたい気持ちもわかります・・・・。

 新型SLBMブラヴァー(国際協定使用呼称:RSM-56、NATO分類呼称:SS-NX-30)は冷戦後初となる新型戦略原潜プロジェクト995(NATO曰くボレイ級)に搭載が予定されているミサイル。1段目と2段目は(R-39/30で養った技術が生きてる)固体燃料を使用し、3段目には多弾頭ブロックの突入段階の機動に必要な速度を確保する必要があることから液体燃料が採用されています。高度および飛翔コースの飛行弾道を変える事が出来、個々に誘導される6〜10個の極超音速機動核弾頭を搭載可能。低高度飛行特性も有するとされ、最大射程8,000キロメートル。発射重量36.8トン、慣性制御システム装備、弾頭重量(ペイロード搭載量)1,150キログラム、ンテナから射出時の長さ12.1メートル、弾頭部を除いた長さは11.5メートル。


 ちなみにSLBM

ではなくて、潜水艦発射型大陸間弾道ミサイルのことです。
はい。アホですね。