ロシアの実地戦略演習「ヴォストーク-2010」が開始された

 長い間待ち望んだ近年では最大規模の演習である「ヴォストーク-2010」が6月28日に開始されました。この演習は極東方面で行われ、演習にはロシア海軍太平洋艦隊はもちろん黒海艦隊からは旗艦の巡洋艦「モスクワ」(と随伴艦)が北方艦隊からはこれまた旗艦の巡洋艦ピョートル大帝」が参加します。他にもコラ半島北方地帯の水上艦船、潜水艦、航空隊、海軍歩兵も参加するとのことでしたしレニングラード軍管区からも部隊が参加するということでした(シア様は偉大ですね・・・・)。演習に参加する軍人の数は数万人にも達するとのこと(flot.com(英語版)/新華社)


(↑Su-32FN。簡単にいうとSu-34の海軍向けの機体)

 実弾演習が開始されるのは7月5日からですが、航空隊のSu-24MとSu-34は既に空中給油を伴う飛行訓練を行って8000キロ以上の連続飛行を行ったようです。演習のために極東にやってきたモスクワ、ピョートル大帝閣下共々準備は完了しているようで、なにやらピョートル大帝湾とウスリー港でゴソゴソと戦闘訓練など行っている模様。他にも極東で祖国防衛の任に就いている偵察機Su-27戦闘機、大型対潜艦(ウダロイ1型)も演習に参加していきます。これまでのところ各艦の調子は優秀とのことです。なお演習の指揮をとったのは太平洋艦隊指揮官Konstantin Sidenko。

(↑北方艦隊旗艦ピョートル大帝)
 現在朝鮮半島は平時よりも緊張した状態に置かれていますし、先日のコルベット撃沈を受けて米韓は合同でASW能力向上を目的とした演習を行っているので、ヴォストーク-2010開催のタイミングの裏に何か有るのではないかと探りたくなるところかもしれませんが、ロシア海軍の演習は夏ごろに行われるのが慣例ですし、6月〜7月頃に演習が開始されると以前から告知されていました。また実施場所についても「ヴォストーク」の名前の通り最初から極東の予定でした。どちらかと言えば「タイミングがあって儲けモノ」位の感覚でしょうね。ロシアのメディアは、タイミングについてはこれは"全くの偶然かもしれない"と述べているようです(スケジュール通りですがね・・・)。

 今後航空部隊や大帝閣下やモスクワ、各艦の活躍に期待しています。ところでワリャーグは軽く間に合いませんでした。サンフランシスコ訪問を6月25日土曜日には終了してはいるのですが、間に合うわけがありませんでした。秋幸華(チゥ・シンファ) 様が往路の日程から推測してくださったのですが、(乗っからしてもらいますよ〜)7月10日前後に津軽海峡を通過し7月中旬にはウラジオストクに帰投できるだろうとのことです。ただ、秋幸華様のおはなしで思い出したのですが太平洋ではリムパックが行われているのでそちらで何らかの活躍が有るかもしれません。ただそうなると帰投する日程は先程の予測よりも遅くなるでしょうから、ヴォストーク-2010では大した活躍ができないかもしれません。

 中国は中国で6月30日から7月5日にかけて東シナ海方面に大規模な航行制限海域を設定し、実弾演習を行う算段のようです(参照)。ヴォストーク-2010に対抗してか朝鮮半島を睨んでなのかはかは知りませんわかりませんですが、そちらはそちらで楽しみです。でもやっぱりЖуравлик(ジュラーヴリク=フランカーのロシア国内非公式愛称)はあの青系迷彩かSu-37式迷彩が一番良く似合うと思うのです・・・・インドとか中国の塗装はちょっとね。