大型揚陸艦「カリーニングラード」はBALTOPS-2010を終え帰還へ

 
 世間は(と言ってもごく一部)極東の実地戦略演習「ヴォストーク-2010」で盛り上がっていますが、そんな中ひっそりと欧州で行われていた演習がありました。BALTOPS-2010です。その名の通りバルト海方面で行われていた演習ですが、NATO諸国も参加するものです。今年は6月7日〜19日にかけて行われており、ロシア海軍からはロプーチャ型(プロジェクト775)揚陸艦「BDK-58カリーニングラード(Калининград)」が参加していました。演習の前にはポーランドの港で戦勝65周年の行事をやったりと色々と忙しかったようです。(flot.com)


(↑ロプーチャ型揚陸艦。今回はえらく古風な画像です)
 演習ではバルト艦体の面々は対潜戦闘訓練や防空訓練に参加しました。演習を通じてNATO各国との連携を深めてきたようです。IM SmirnovとMA Kushnerevはバルト艦隊司令官VP Kravchuk(ヴィクトール・クラフチュク)中将の副官に”演習では良好な結果を収め、新しい任務を受領できる状態だ”という趣旨の報告をした模様です。ヴィクトール・クラフチュク中将は「演習はすべての課題において完全にきちんとしたレベルで行われた」とおっしゃられました。

(↑ヴィクトール・クラフチュク中将 ※イメージです※)
 そして恒例の伝統、”炙り豚を艦長にあ・げ・る儀式”もきちんと行われ、揚陸艦カリーニングラードの役目は一段落しました。

 BDK-58カリーニングラードはロプーチャ型揚陸艦(プロジェクト775)でバルト艦隊所属。1985年に就役し第71揚陸艦旅団に配属されています。同艦はBALTOPSに2003年〜2006年と2008年にも参加しています。ロプーチャ型はプロジェクト1174(イワン・ロゴフ級)を補完する目的で建造され、現在のロシア海軍揚陸部隊の中核を成す艦。ソ連海軍では中型揚陸艦に分類されていましたがロシア海軍では大型揚陸艦に分類されています(実態は西側で言う戦車揚陸艦なので注意)。