ロシアの新型SLBM”ブラヴァー”が8月9日〜12日に行われる


 なーんか大嘘書いてたみたいです。誰ですか、「8月の凍結終了の後すぐ試験に入れるわけでもないでしょう」なーんて書いたのは・・・・まあきっちり8月上旬にブラヴァー試験解禁ですが。

 軍事産業複合体がノーボスチに7月29日に伝えとところによると、ロシアが開発している新型SLBMブラヴァー”(ブラバー)のテストが8月9日〜12日に掛けて行われるとのことです。2009年12月9日に行われたテストでの失敗原因が2段目のノズルに有ることが既に判明していますが、それを修正したタイプで試験に臨むことになります。「これで全ての準備は整いました。打ち上げが成功した場合、テストはより頻繁に行われることになるでしょう」とスポークスマンは語りました。この実験が成功した場合には、今年末までに追加で少なくとも3つのテストが行われるとのことです。

 この「3つのテストが行われる」と言う点に関してですが、FLOT.comには「以前のバージョン(ノズルに問題のあるタイプ?)で3回テストを行ない、同じ問題が再現されるかどうかを確認する」という趣旨の記述があります。翻訳には大して自信がありませんから何かの間違いかもしれませんが、ノズルの問題は今も確認中なのでそれと関係があるのでしょうね。
(以下、flot.comの問題の記述)
Двенадцатый пуск межконтинентальной баллистической ракеты морского базирования "Булава" с борта атомного подводного ракетоносца "Дмитрий Донской" в подводном положении 9 декабря 2009 года из акватории Белого моря провалился.

この内容は5月に国防相アナトリーセルジュコフが語った内容です。5月といえば下旬に「次回のテストは11月頃行う」と発表があった月です・・・・・どうなってるのやら。シア様はどうされてしまったのでしょうか・・・はぁ。謎だらけです。

 独立新聞によると、ブラヴァーの試験にかかるコストは1000億ルーブル以下とのことです。ブラヴァーの打ち上げ試験は12回中5回が失敗しており、2段目ノズルの問題は技術的なもので有ったと報告されています。発射テストはTK-208(プロジェクト941UM)で行われていますが、本来の搭載艦はプロジェクト995ボレイ級です。現在完成しているプロジェクト995は1番艦ユーリー・ドルゴルーキーのみですが、ロシア海軍の野望では2015年までに8隻を建造するそうです。現在ロシア海軍に在籍している戦略原潜の数(少なくとも西側で知られている数)は8隻なので、この数はちょっとした驚きです。 現在実質的な戦力に数えることのできる戦略原潜はデルタ3型(プロジェクト667BDR)5隻、デルタ4型(プロジェクト667BDRM)6隻の計10隻。これにブラヴァ試験艦のTK-208と2隻、計3隻のタイフーン級が加わります。高町なんとか様のご教示の成果です。なお、”デルタ3型”の3はローマ数字(ギリシャ数字)で表記するのが一般的ですが、文字化けしてしまうのでアラビア数字で表記しています。ちなみにデルタ4型は7隻竣工していますが1隻は戦略任務を解かれ特務原潜にシフト中です。

 ブラヴァーのチーフデザイナーは「アメリカ合衆国とドイツとフランスと日本が開発した現在のミサイル防衛システムではブラヴァーの飛行を阻止することは出来ない」と豪語しています。確かにブラヴァーは高度および飛翔コースの飛行弾道を変えることが出き、低高度飛行特性も持つとされています。このあたりは陸上発射型のトーポリMの空力制御の話と似たり寄ったりではありますが。話の形の上では防御側に回る米国からは、THAADがスタンバイしています。2000年以前には開発が難航していましたが最近は迎撃実験も成功を重ねています。THAADはグアムのアンダーセン空軍基地への配備が予定されており、アメリカがヘッドオン状態で中距離弾道ミサイルなら迎撃可能だと評価していること成るわけです。とは言えブラヴァーはフルレンジのSLBMですが(射程8000km)。さらにSM-3 block2Aも控えています(こちらも中距離弾道弾までですが)。これからの弾道ミサイルと迎撃システムのイタチごっこが楽しみです(いや、ちょっと困るかな? ちなみにYAL-1は現状では戦術弾道ミサイル〜中射程弾道ミサイルまでの対処が限界です。なお、SM-3はミッドコース迎撃を担当しTHAADとパトリオットPAC3は終末段階での迎撃を担当します。

↑THAADの弾体

もちろん当たれば頭冷やす程度じゃすみませんが。そういやなのはネタこれしか使ってないや。でもミサイルから「2段目のノズルのおはなし」を聞くために追加で実験するかもなんて十分ロシアの白い悪(ry

 ブラヴァーは将来の海軍戦略の基幹をなす潜水艦発射型弾道ミサイル。発射重量は僅か36.8t。最大射程8,000キロメートル、性制御システム装備、弾頭重量(ペイロード搭載量)1,150キログラム、ンテナから射出時の長さ12.1メートル、弾頭部を除いた長さは11.5メートルで、6〜10個の極超音速機動核弾頭を搭載可能。