新世代フリゲートプロジェクト22350”アドミラル・ゴルシコフ”進水

 もうしばらく前のお話ですが、書く気が起こらなかったので。

 ロシアが2006年2月1日より建造を開始していた新型フリゲート、プロジェクト22350の一番艦”アドミラル・ゴルシコフ”が10月29日に進水しました(flot.com)。

 元祖ステルス艦キーロフ級を作ったソ連の末裔だけあって、(当然時代の流れも汲んで)ステルス艦となっています。その装備はディーゼルガスタービン発電プラントや改良型の艦隊防空ミサイル、4基装備されたフェーズドアレイレーダーなど現在の旧西側艦のそれと比べても劣るところはありません(もっとも艤装はこれからですがね)。

 ”アドミラル・ゴルシコフ”はこれから艤装が行われることに成ります。この艦はサンクト・ペテルブルク市の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されてきました。以前もflot.comでは「新フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ級)は、2010年後半に進水し、来年、一連の試験を経た後に艦隊へ加入する予定である」「2011年にロシア海軍へ加入する。 」と伝えており、どうやらスケジュール通りに進んでいるようです。ならば、就役はおそらく来年・・・・になるといいんですけどね。プロジェクト22350は1番艦”アドミラル・ゴルシコフ”の他に二番艦”アドミラル・カサトノフ”が2009年11月26日に起工されています。プロジェクト22350はいわゆる”大洋ゾーン艦”として建造されており、今後ロシア艦隊の主力を担っていくことに成ります。以前は西側・東側とも艦艇は防空艦と対潜艦というように役割分担させ、特にソ連海軍はそれが顕著でしたが、この新型フリゲートは汎用艦として設計されており対艦・対空・対潜(そして簡易的に対地)任務をこなすことが出来ます。

【主要目】満載排水量4500トン・全長130メートル・幅16メートル 吃水4,5メートル・速力29ノット・乗組員210名
【兵装】A-192型130mm砲 1基・対艦ミサイル3M55「オーニクス」8基・対潜ミサイル複合体「メドヴェドカ-2」8基・防空ミサイル複合体「ウラガン」(ウラガンは24セル若しくは36セルのVLSの1セルに1基ずつ格納)・艦載ヘリ(Ka-32かKa-27)


 ”ウラガン複合体”のミサイルは従来型用(9M38/9M317)を発展改良したタイプで、改良型ウラガンである”ヨーシュ(SA-N-12)”用のミサイル9M317の射程が約50kmだったため”VLS対応型ヨーシュミサイル(9M317ME)”では更に延長されている可能性があります。このミサイルの誘導はイルミネーターに従来の”オリェーフ”を用いることも出来ますがプロジェクト22350ではフェーズドアレイレーダーで行うようです。VLSは”3S90E.1”なる名称で、12セルを1ユニットとしてこれを複数組み合わせるようになっています。形状はアメリカのMk.41 VLSと同じような箱型です。