ロシアの最新型輸出向け多目的フリゲート「プロジェクト22356」

 先日はロシア海軍の新型フリゲート”プロジェクト22350”の1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」が進水しましたが、ロシアはアドミラル・ゴルシコフ級の輸出型である新型汎用フリゲート「プロジェクト22356」をEuronaval 2010で発表するようです(flot.com)。

(↑プロジェクト22356)

(↑アドミラル・ゴルシコフ級)

 プロジェクト22356はアドミラル・ゴルシコフ級(プロジェクト22350。以下、紛らわしいのでプロジェクト22350をアドミラル・ゴルシコフ級と書きます。)の輸出型で、アドミラル・ゴルシコフ級と同様汎用性と外洋での作戦行動能力を持ちます。flot.comに掲載されているちっちゃな完成予想図を見る限りはアドミラル・ゴルシコフ級同様にフェーズドアレイレーダーを装備している可能性もあります(というか多分装備しています)。一部においてはアドミラル・ゴルシコフ級より先進的な技術が導入されている部分もあります。ヘリコプターはアドミラル・ゴルシコフ級の場合Ka-32(ロシア語版WikipediaではKa-27と書かれていましたがね)を搭載予定とされていましたが、プロジェクト22356では輸出型で有るということを反映してかKa-28になっています。ソナーシステムにはМинерал-МЭ(ミネラル-ME)、さらに統合ミサイルシステムとしてКалибр-НКЭ(キャリバー-NCE)が搭載されます。他にも先進的な索敵システムを装備する予定。

【主要目】満載排水量4550トン・全長135メートル・幅16.4メートル喫水4.4メートル・速力29ノット・最大自律行動期間30日
【兵装】対空ミサイル32発or36発・130mm単装砲1基(明言されていませんが恐らくA-192型)・30mmCIWS複合体2基・91RTE2対潜ミサイル8発・Пакет-Э/НК対魚雷対潜水艦複合体・ヤーホント対艦ミサイル(3M55「オーニクス」の輸出型)8発

(↑ヤホント超音速対艦ミサイル)

 91RTE2は今ホットなロシアの”クラブ(Клуб)”ミサイルシリーズの一種で、射程40kmの水上発射型対潜ミサイルです(詳しくはこちらを)。Пакет-Э/НКは仰々しいことを書きましたが、短魚雷複合体です(詳しくはこちら。ただしロシア語)。対空ミサイルの件ですが、”Риф-M”ミサイルを搭載する場合は32発、”カーム(Штиль)-1”ミサイルを搭載する場合は36発が最大だということです。・・・・”Риф”ってアルファベットじゃRif。日本語では”礁”(サンゴ礁みたいなやつね)って意味なんですが、この名前を与えられているミサイルって実はS-300F(SA-N-6)の輸出型なんですよ・・・・。今回のはS-300FMの輸出型なので、”Риф-M”(Rif-M)になってますが。一概には比較できませんが、因みに満載排水量11,280 トンのスラヴァ級ではS-300Fを最大64基搭載可能です。Штильは”9K37ブーク(Бук/SA-11グランブル)”を艦対空ミサイルに転用した”3K90 M-22 ウラガン(Ураган/SA-N-7)”の輸出型で、アドミラル・ゴルシコフ級の対空ミサイルと同程度の装備だと考えて大丈夫です。

 週刊オブイェクトアドミラル・ゴルシコフ級進水の記事のコメントNo.55にもプロジェクト22356の話がちらっと出ていました。