ロシアのミストラル級は新しい造船所で建造される可能性がある

 先日のミストラル級の記事の中で”ロシアで建造するミストラル級はアドミラルティ造船所で建造される”と書き、屋根無しドックが使われるだろうとサイズから推測したのですが、Flot.comの記事によると新しいドックが使われるかもしれないということです。

(↑1番艦”ミストラル”)
 現在のアドミラルティ造船所はネヴァ川の河口付近に有りますが、ここの14haほどの土地を売りに出して住宅・ビジネス街などに開発する計画が2004年から存在したそうです。早ければ2011年にも売りに出されるようで、造船所は既に高度な洪水・氾濫防護設備が整備されているクロンシュタット区に移されるようです。新しい造船所が完成するまで4〜5年かかると見られていて、費用は450億〜500億ルーブル必要だと見積もられています。新造船所はSTXグループが建設するだろうということで、STXはロシア国営造船グループ(ユナイテッド・シッピング・コーポレーション/USC)と今年7月にMOU締結しています。

(↑現在のアドミラルティ造船所はここにあります)
 で、新しい造船所ですが、その造船所は大型民間船専門になるだろうというのです。ですが、ミストラルは商船規格で建造されているため新造船所でも建造が可能です。契約に従って来年には最初のロシア向けミストラル級がフランス(恐らくアトランティーク造船所)で起工されるでしょう。

 ロシアでのミストラル建造はフランスで2隻の建造が終わってからなので、工事が順調に進めばロシアでミストラルの建造が始まるまでには新造船所は完成するはずです。ただ、本当に新造船所が”大型民間船専門”になるのなら現存するロシア最古の造船所であるアドミラルティ造船所で軍艦(商船規格の軍向けのものは除く)が建造されることは無くなってしまうのでしょうか・・・・プロジェクト677”ラーダ”とその輸出型プロジェクト1650”アムール”はアドミラルティ造船所で建造されていますしキロ級もかなりお世話になっていますが・・・・大型ドックだけが民間専用になるのか、旧施設が一部残るのか、軍需部門は他の造船所にそれらは振り分けられるのか・・・・よくわかりません。