ロシア向けミストラル級の建造費は7億2000万ユーロ?

 少し前の記事になりますが、ロシア向けミストラル級取得に必要な費用についての報道がありました(flot.com)。

 交渉過程にある情報筋がRIAノーボスチに語ったところによると、フランスで建造されるロシア向けミストラル1番艦の費用は7億ユーロを超え、7億2000万ユーロになる見通しだということです。2番艦は6億5000ユーロと7000万ユーロほど値下がりしますが、情報筋はこの値下がり分はロシアが建造に参加する比率が増加する事が主な要因だとしています。1番艦ではロシアの分担率は20%ですが、2番艦の場合は40%にまで達する可能性があると情報筋は述べています。ロシアのアドミラルティ造船所で建造予定の3・4番艦の建造費については「造船所の選択にあらゆる点で依存するでしょう」と明言を避けました。また、これについては若干不明瞭な表現でしたが「この注文を受理する可能性はアドミラルティ造船所、ヴィボルグ造船所の順にあります」と述べられており、アドミラルティ造船所の予備としてヴィボルグ造船での建造が考えられている他に3番艦はアドミラルティ造船所が担当し4番艦はヴィボルグ造船で建造する、ということも考えられるかもしれません。ミストラルはブロック工法で建造されているので効率はさほど悪化しないと考えられていればそういうオプションも有りではないでしょうか(実際どうなのかは知りませんが)。

 なお、今回の情報は”リークされた物”であり公式に提供されたものではありません。今のところロシア海軍ミストラルのお値段の見通しは公式発表されていません。フランスのメディアは、この種のヘリコプターやエアクッション揚陸艦を搭載可能な多目的揚陸艦の値段の相場は4億〜5億ユーロだと報道しています。

(↑ワスプ級に新機軸を盛りこんで建造されたLHD-8 マキン・アイランド)
 この記事を書いている時点では1ユーロ=約107円(Google大先生)なので日本円に換算して1番艦建造費用は約770億4000万円(77040000000円)、二番艦は695億5000万円(69550000000円)になります。2009年9月の報道ではロシア向けミストラルの価格は”一隻あたり7億3,800万ドルから8億8,600万ドル程度”と報道されており、これは現在のレートで日本円に換算すると612億5400万円〜・・・・もう計算が面倒なので省略しますが、過去の報道における際の建造費を最低でも80億円ほどは上回る計算に成ります。もっとも円で計算してもあんまり意味が無い気がしますが。フランスメディアの報じる相場は約420億円〜約535億円です。なお、満載排水量で4万トンを超えるワスプ級強襲揚陸艦は船体のみで14億ドル程だとか。ヘリ空母ひゅうが型護衛艦の建造費は1番艦”ひゅうが”で1057億円、2番艦”いせ”で975億円。おおすみ輸送艦の建造費は480億円のようです。ひゅうが型おおすみ型共にミストラル級より若干小型ですしひゅうが型にはあくまでもヘリ空母(せいぜいヘリコプター揚陸艦もどき)でしかもFCS-3なんかも搭載しており、おおすみ型は航空機を本格整備する能力がなく建造数も異なるので一概には比較できませんが。