インドとロシアは輸出型PAK FAの共同設計を行う

 RIAノーボスチによるとインドとロシアは2010年12月に輸出型第五世代ジェット戦闘機の共同設計の契約を行ったようです。

(以下ノーボスチの文章を翻訳)
 2010年12月21日にインドを訪問中だったロシア連邦大統領ドミトリー・メドヴェージェフは2億9500万ドルでインド向け戦闘機の初期設計を契約した。この出来事はインドが戦闘機を購入することを意味します。インドが軍事と軍事産業の技術パートナーとしてこのプロジェクトに参加することはT-50プロジェクトの不可逆性の保証になりました。おそらく、この契約の金額は(2010年)1月29日に初飛行した戦闘機(PAK FA=スホーイT-50)の金額をも凌ぐでしょう。専門家は「1月29日のPAK FAの飛行が技術的成熟度が十分な説得力のある証拠であり、それは商業の、そして産業の未来を切り拓きます。」と語ります。
 彼は国の経済力と第5世代戦闘機のプロジェクトを実施する能力の間に相関関係があることを指摘した。現在のところ、このようなプログラムを持っている国にはGDPが14.3兆ドルに達した米国、中国の8兆ドル、日本の4.4兆ドル、ロシア(2.3兆ドル)があります。その上、第五世代ジェット戦闘機製造の要求は韓国によってもなされています(訳補足:KFX計画)。この韓国の計画にインドネシアが参加するという情報もあります。これらの二つの国の総GDPは2.3-2.4兆ドルになります。(中略)ロシアとインドの総GDPは既に6兆ドルに達し、プロジェクトの経済的基盤は疑いようがない。
(翻訳終わり)
ということで、GDPの金額から第五世代ジェット戦闘機の開発計画を持っている国を分析し、ロシアとインドが共同開発を行うことの妥当性を主張しています(なんかGDPの金額が異常な気がしますが気にしないことにしました。実質GDPでも名目GDPでもおかしい気がする・・・)。もちろん”インドが購入する戦闘機”というのはスホーイT-50です。記事中ではGDPの金額的にも軍事技術的にも将来第五世代戦闘機分野に参入してくる可能性のある国としてフランスとスウェーデンを挙げています。”壮大な第四世代戦闘機”を生産・保有している両国を警戒しているわけですが、費用の観点から第五世代戦闘機はこれら単独ではなく複数の国と共同で行われることになるでしょう。アメリカはATF計画のF-22JSF計画のF-35、中国は最近画像がリークされた殲撃20、韓国はKFX計画の機体、日本は研究機ですがATD-Xの心神が第五世代機に相当します。

 輸出型PAK FAをインドと共同で設計することでロシアのPAK FA自体が計画中止になってしまうのを防ぐ効果が見込んでいるようで、さらにはPAK FAの商業的成功も狙えることに成ります。インドはMiG-29Kに続き将来はT-50を保有することになるでしょう。バクー(旧アドミラル・ゴルシコフ)ベースのヴィクラマーディティヤ ではサイズ的にスホーイT-50の運用は行われないのではないでしょうか(そもそも輸出型T-50が通常型かCV型になるか未定)。