ロシア海軍は共同軍事演習FRUKUS-2011に参加する/2011年のロシア海軍の共同軍事演習・海外訪問の概要

 flot.com--ロシア海軍と米海軍が合同演習に参加する--(2011年1月21日)
 http://flot.com/news/navy/index.php?ELEMENT_ID=61849

 消息筋によるとロシア海軍は2011年に、国際的な共同海上演習の”FRUKUS-2011”に米海軍及びNATO諸国海軍と共に参加する。また、黒海艦隊所属の潜水艦”アルローサ”は損傷した潜水艦の救援の国際的なNATOの演習”ボールド・モナーク”に参加します。”ボールド・モナーク”の主催はスペインです。

 消息筋は、ロシア海軍の実践的な他国海軍との接触が世界の海洋の安全保障を強化する上で重要性を増していると指摘した。海軍艦艇の外国の港への訪問は共同演習と同様に海上安全保障に関する政府間協定の枠組みの中で実施する。ロシアの軍艦は2011年は米国、ヨーロッパ、地中海、アジア太平洋地域内の港に約50の公式訪問と演習関連の訪問を行います。
 ロシア海軍黒海艦隊の情報筋は潜水艦”アルローサ”が共同軍事演習へ参加する準備を行っているという情報を確認しました。


 というわけで、ロシア海軍は2011年も積極的に他の国の海軍と付き合っていく方針のようです。一方で、昨年の状態を反省してウクライナ海軍とも関係を強化するとウラジミール・カラリョフが発言しているのでかなり濃いスケジュールになりそうです。
 共同軍事演習”FRUKUS”は伝統的な演習で、アメリカ合衆国・イギリス・フランス・ロシアの4カ国が参加します。”FRUKUS-2009”では北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクが参加しました。FRUKUSは1993年から”RUKUS”として行われ、模擬戦闘や図上演習がメインでした。2004年以降はフランスが参加し”FRUKUS”となり、2005年からは4カ国による海上合同演習となりました。ここから見て取れるように、”FRUKUS”は参加する4カ国の頭文字(France-Russia-United Kingdom-United States)をつなぎあわせた名称です。

(↑B-871 アルローサ)
 ボールド・モナーク(Bold Monarch)は潜水艦救援の演習で、これはNATO諸国主催の演習です。これにもロシア海軍が参加しています。Bold Monarch-2008ではロシアからは有人潜水艦救助艇AS-34やその母艦の救難艦”チトフ”(RFS Titov)が参加しています。これに参加する潜水艦”B-871 アルローサ”は、黒海艦隊所属のキロ級潜水艦(ワルシャワンカ級/プロジェクト877)で、同艦隊唯一の実働潜水艦です。キロ級潜水艦ですが、スキュードスクリューではなくポンプジェットを装備する実験潜水艦です。ポンプジェットは効率があまりよくないので通常動力潜水艦は通常ポンプジェットを装備しませんが、本艦は実験のためスクリューから換装されています。