さよなライオン!MacBook&MacOSX!

 昨日の夜いきなり出てきた感のある新Mac群OSX Lion(一応当日告知でしたが)ですが、やっぱり気になったのはMacBookAirで色々見てたんですが、ふと気づくとMacBookがなくなってました。MacBookAir、MacBookProと来て”MacBook”が無いのはちょっと不自然な感じですが、Airが頑張りすぎて遂にMacBookが無くなっちゃったんですね。

 思えば、少なくともラインナップの上ではMacBookiBookの後継であり、PowerBookの後継たるMacBookProの下位モデルとしての存在でしたが、思えばここしばらくは「MacBookの存在意義って・・・」という空気ではありました。13インチMacBookProが出たりして(あの時は「MacBookがあるのに余計な金だしてPro買うわけ無いだろ!」って意見もありましたが、キーボードバックライトはMacBookには有りませんからね。大した意味もなく光るギミックだなんて最高じゃないですか!!Airにも復活して最高です!!!)。でも辛うじて”かつて高かったあのMacが10万を切った!”という存在ではあり、それなりに需要はあったと思うのですが、旧MacBookAir(Late2010かな)で11インチ最下位モデルが8万台で販売され、さらに学割を使うことでSSD容量アップを実質0円で実現できる、そもそもその前にあの価格でSSDを装備してるという充実した内容でした。ますますMacBookの影は薄くなり、ネットしかしないライトユーザー層は別にMacBookAirでも困らない(ストレージ容量は除く)という状態ができたんだろうと思います。

 そして今回の発表でMacBookAirのCPUをCore iにアップグレードし低電圧版だろうがなんだろうがMacBookより上位へ進み、MacBookより高速なストレージを装備し、MacBookより薄くて軽くて丈夫なユニボディ、おもちゃっぽいMacBookと比べて高級感のある筐体・・・と、いいところ尽くめでMacBookの存在意義がほぼ無いに等しいところまで持ってきた上でMacBookを抹殺したわけです。

 もしかしたら、Appleは13インチMacBookProを発売した時点でMacBookを消そうと思ってたのかもしれません。あるいは、MacBookAirが10万を切った時点で。今の流行りはクラウドMobileMeの焼き直しことiCloudやらAmazon Cloud PlayerやらGoogle Docやら。今更巨大なストレージが必要なのはビデオや画像や音楽やらを大量に貯めこむ人だけ。そして、そういった人向けには128GB/256GBのSSDを持つ上位モデルが用意されてるわけです。本格的な人には間にあうものではありませんが、メインマシンをMacBookにしてきた人にはひとまず満足できるサイズでしょう。そして、ライトユーザーがするのはインターネットがほとんどです。仕事でワープロを触るにせよ、表計算をするにせよ、プレゼンで使う資料を作るにせよ、スペックは間に合ってるしクラウドと表裏一体です。Mac App StoreからKeynoteを購入し、インストール。作ったデータはローカルとiCloudへ保存。そこまでしなくても、クラウドを使って作業する人なら128GBもあれば不満は出ないでしょうし、もっとスペックの欲しいクリエイターなどはMacBookProを使ってくださいと言うわけです。もっとも、13インチMacBookAirは「機動力を重視する人のためのMacBookPro」と言え無くもないでしょう。Core iシリーズの採用はその力をMacBookAirに与えたでしょうから。

 この動きは”ラインナップをシンプルに”というNeXTあたりからジョブズAppleに戻ってきた頃以降のAppleの信条にも合致しています。MacBookAirに取り込むことが出来る。ならそうすればいいじゃない、と。あるいは、AppleMacBookAirが統合できるのか時間を掛けて試していたのかもしれません。MacBookが無くなっても不自然に見えないように意図的に誘導していたのかもしれません。ストレス無くパソコンを使えるようにする、という方向からも間違った動きには見えません。SSDを搭載したマシンは明らかにHDD搭載モデルよりも軽快ですし、持ち運びも楽勝です。Airなら、なおさら。iOSに無線でのホットスポット(テザリング)機能を追加し、Apple製品だけでモバイルが出来るように仕立てました。iPad3GもしくはiPad Wi-FiiPhone、それで不足する人はMacBookAirとiPhone。メインマシンをそのまま外に持ち出せるのは非常に楽なので、案外Appleは今回はユーザーの事を思ったアップデートを施したのかもしれません。(ま、回線事情は別として)
 ついでに、AppleはひっそりとMac miniから光学ドライブを奪っています。Mac miniの位置づけではそもそも外付けドライブを持ってるユーザーが多いと判断したのか、LAN内でドライブを共有すればスマートだとか思ったのかもしれませんが、今回のモデル更新には前回のMacBookAirの発表ほど衝撃的ではなくてもなかなか新しい価値基準が導入されています。(まぁ、Serverモデルじゃ前から去勢されてたけどさ)

 で、OSも名前がMacOSX から OSXに変わっています。現状、このOSがiPhoneだとかで動くわけではありませんが(いくらサブセットだからといってもMacOSが動いてるとは言えませんよ..........!)これはiPhoneと同時にApple ComputerからAppleへ社名を変更したのと同じ意味を持つのでしょう。つまり、MacOSXというMac流儀のOSではなく、iOSなどの流儀も採用した新しいUIを持つOSへと進化させるという意味です。長年の課題であるUIの簡素化をマルチタッチトラックパッドというデバイスによるタッチ操作で実現し、まさにiOSが”Back to the Mac”するわけ。とは言え、発売前の意見ですがこんな意見もあるんですがね。

 これからこの2つの事件がどういう風になるのか、楽しみです。






 それにしてもキーボードバックライトは最高ですね!!!