SLBM”ブラヴァー”の試射が2011年末までに行われる可能性

 Flot.com英語版によると、SLBMブラヴァーの試射の実行日が数日中に決定されるとのことです。「試射が2011年あるいは2012年に行われようと、試射実行の日付の決定は数日中に行われます。」国防相のスポークスマンは12月15日RIAノーボスチに語りました。

 「ブラヴァーの試射が2011年12月末に行われるという情報は、一種の幻想です。次のブラヴァー試射の日付に関する情報の出所は非公式なものであり、その内容にはバイアスがかかっています。現在に関しては、先の試射の分析を終えて次の試射の準備を行なっている段階です。」「試射が来年に持ち越されるかどうかは、状態判定委員会が決定することです。」スポークスマンは語りました。「次にブラヴァーの試射を行うときは、気象条件が特に重要になります」彼は付け加えました。

 ブラヴァーの試射が2011年中に行われるのか、2012年に持ち越されるのかは不透明ですが、現在検討中です(国防相のアナトーリー・セルジュコフは来年に先送りしたい意向のようですが)。ロシア海軍としては「ブラヴァーは今年中に(おそらく)最後の試射を行い、早期に就役させる」という情報が独り歩きして既成事実化してしまう事と、試射が2012年に先送りされた場合にブラヴァーとロシアのイメージを損なうことを恐れて釘を刺したのでしょう。軍内部の権力闘争がどうなっているのかははっきりとわかりませんが、海軍が何度も「ブラヴァーは並行開発している既存SLBMの改造型とは競合しない」ということを強調しているのを考えると、何かしらの形で”ブラヴァー不要論”が存在しているのかもしれません。想像ですが。天候について慎重なのは、試射の準備をして天候が原因で順延、という事を防ぐためでしょう。これまでにも天候が原因で多々試射が中断されています。試射もほぼ全て終わった今は余計な手間は省きたいのでしょう。

 ブラヴァーは現在17回試射が行われ、10回が成功しています。三段目の問題が解決された2010年10月7日以降の試射では成功率100%を誇っており、特に2011年8月27日に実施された試射では「受けてみて!これが私の全力全開!!」をやって最大射程約9300kmをマークした程です。ブラヴァーを搭載する戦略原潜”プロジェクト955 ボレイ級”は2015年までに同型艦/準同型艦を8隻建造する予定。一番艦K-535”ユーリー・ドルゴルーキー”は既にミサイル試射に従事しており、二番艦”アレクサンドル・ネフスキー”は2012年中に就役予定。ブラヴァーミサイル自体はおそらく2012年に就役するものと見られています。