ロシア海軍でMiG-29K/KUBが制式採用される

 既にインドではMiG-29Kを装備する飛行隊が設立され、ロシア海軍でも空母アドミラル・クズネツォフを筆頭とする遠征部隊でMiG-29Kが試験運用されていましたが、この度正式採用されることになったようです。(flot.com ノーボスチ ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課)

 アドミラル・クズネツォフは2011年12月6日から2012年2月16日にかけて地中海やシリアで活動していましたが、その際にMiG-29Kを持ち込んで運用していました。Su-33の方は第279独立艦上戦闘機航空連隊(定数20機)から8機のみ搭載して行きました。Su-33はカタログスペックとしてはマルチロール化されていますが実際は予算不足やらでSu-27相当の制空能力しか保有していない機体が一定数存在する(ただしこの情報はもう錆び付いているかもしれません)のでそれの近代化や老朽化への対策などで作戦行動できる機体が少ない、そしてMiG-29Kを載せることで数を妥協したのかもしれません。
 地中海では発着艦のテストが行われたようです。遠征中にはSu-33の訓練については何度か報じられましたがMiG-29Kについては1度だけだったと思います。

 MiG-29K/KUBは現在インド海軍に第1ロット分の16機が納入されており、さらに追加で29機を第2ロットとして発注しています。第2ロットは2012年から納入されるとのことです。第1ロットの16機は、最初の数機がインドに到着すると同時に第303飛行隊”ブラックパンサーズ”に編入されました。この部隊はインドが改造の上受領する空母”ヴィクラマーディティヤ ”、かつてのロシアのキエフ級4番艦アドミラル・ゴルシコフ(旧名”バクー”)の為のものです。第2ロット分の機体は、現在シーハリアーを装備する第300飛行隊”ホワイトタイガース”が利用すると見られています。なお、空母ヴィクラマーディティヤは2012年12月にインド海軍に納入される予定
 以前にはインドへ輸出する予定だったMiG-29KUBが墜落したこともありました。

 ロシア海軍では、現在の老朽化したSu-33の代わりにMiG-29Kを導入します。ロシアが2050年を目処に計画している新型原子力空母には現在開発中のPAK FA、スホーイ案のT-50の艦載型が搭載される予定ですが少なくともPAK FAの艦載型が制式採用されるまではMiG-29KとSu-33の二人三脚、あるいはMiG-29Kが単独で空母艦載機としての任務を果たすことになります。
 スホーイに比べて日陰に追いやられていたミグですが、MiG-29K/KUBとMiG-29UPG(9-20)、ロシア国内のMiG-29のアップデートでしばらくは潤いそうです。MiG-35はインドに蹴られましたが・・・。