ロシア戦略ロケット軍は新型弾道ミサイルの試射に成功した

 RIAノーボスチの記事によると、新型弾道ミサイルICBM)のプロトタイプがアルハンゲリスク地方のプレセツク宇宙センターから発射されたとのこと。
 
 「模擬弾頭はカムチャツカ半島の射爆場に着弾しました」戦略ロケット軍の代表者のヴァディム·コバールは述べました。「試射の目的は達成されました。」
「新型弾道ミサイル戦略ロケット軍の攻撃グループの戦闘能力を増加させるでしょう。このミサイルはミサイル防衛システム(MD)を突破するように設計され、ロシアの戦略核を運搬することができます。」彼は付け加えました。

 試射は5月23日10時15分にTEL(発射装置付き車両、つまり移動発射台)から行われ、ミサイルの精度に関するデータを得るための試射だったということ。
 国防省によればこのミサイルの試射は最初のものでした。また、この試射は戦略ミサイル軍と宇宙軍の合同作戦のもと行われました。
「ミサイルは大幅に設計時間とコストを削減する第五世代のミサイルシステムの開発中に得られた新たなバックログやソリューション、既存技術を最大限に活用して作成された」かれは締めくくりました。

【追記】このミサイルは”アヴァンガルド”というミサイルだろうということで、アヴァンガルドはRS-24”ヤルス”の改良型のようです。既存のミサイルの改良型であり、全くの新型ではありませんが、情報がまだ少ないためはっきりとしたことはわかりません。どっかで聞いた名前だと思いましたが、北方艦隊の掃海艇と”前衛芸術”に似てるだけでした。自分は今までこのミサイルについてはしりませんでした。コメントして下さった理人さんに感謝!また、アヴァンガルドについては”★くろいあめ、あかいほしM2”でも言及されていました。そちらの記事によると、アヴァンガルドは既に最低1回は試射が行われており、失敗しています。

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(以下は【追記】が入る前に書かれていた文です)
 さて、ここで疑問が出てくるのですが、この記事では具体的なミサイルの名前について一切言及されておらず、まるで”新しいiPad”の様に”新型弾道ミサイル”としか表記されていません。
 自分は戦略ロケット軍についてはあまり明るくないのですが、あそこが近年開発したミサイルは自分で知るかぎり、トーポリM(RT-2PM2)ヤルス(RS-24)です。トーポリMは最近は最近でも20年ほど前に制式化されましたしヤルスは今更”新型弾道ミサイル”なんて飾り立てて言うほどのものでもないはずです。しかも、「試射が初めて」ときたわけで、絶対ヤルスなわけはありません。おまけに”プロトタイプ”。
 ヤルスが制式化されてから数年しか経っていないわけで、わざわざ全く新型のミサイルが出てくるとも思い難く、このミサイルが何者なのか判別に困っています。
 単に自分の知らない以前から計画されていたミサイルなのか、それとも本当に新型のミサイルなのか。なにか知っている方がいたらコメントで教えていただければありがたいです。
 さらっとこのあたりを読んだところ、全くの新型ミサイルにも見えるのですが・・・。
しかし、MDを突破する能力を備えているということは設計自体はトーポリ前後あるいはもっと新しいものが使われているはずです。また、TELから発射可能ということはSS-18のような重ICBMでもないことがわかります。