2012年末までにボロネジでSu-34を運用する部隊が組織される

 RSAノーボスチによると、今後数日間でSu-34を装備する部隊のためにボロネジへSu-34が移動するとのこと。

(↑Su-34) 
 ボロネジの空軍基地(恐らくボロネジ近郊のVoronezh Malshevo)にSu-34戦闘攻撃機の第二陣が2012年12月下旬から配備されると西部軍管区のアンドレイ大佐が伝えました。
 アンドレイ大佐によると、ノヴォシビルスクにあるスホーイの航空機工場(NAPO)からエンジニアがボロネジへ出向していて、ボロネジへ到着したSu-34を彼らが点検した後にパイロットが機体を受領し試験飛行に入るとのこと。
 大佐によれば、Su-34を受領する部隊のパイロットのためにリペツクの訓練施設で新しい機体に関する理論的な教育が計画されているとの事。

(↑ノヴォシビルスク航空機工場で製造中のSu-34) 
 
 ロシア空軍初のSu-34を装備する実戦部隊は、2011年末に発足したそうです。それ以前にも戦勝記念パレードか何かで姿を表していたような気もしますし、2010年の実地戦略演習”ヴォストーク2010”においてもSu-24Mと共にSu-35が欧州から無補給で極東まで進出する訓練を行なっていますが、米軍風に言うと初期作戦能力のみを達成した段階でしかなかったのでしょうか・・・よくわかりません。
 Su-34はハードポイントを12ヶ所備え、最大搭載能力は8t。この数字はF-15EやF-2とほぼ同じで、F-15Eが米軍の保有するほぼ全ての対地兵器を装備できるのと同様Su-34はロシア空軍の保有するすべての誘導兵器を運用可能とされています。Su-27を東側のF-15に例えるならSu-34は東側のF-15Eです。F-15Eでは一般的なタンデム複座ですが、Su-34では搭乗員の意思疎通の円滑さを重視して並列複座を採用したとも言われます。コクピット周りはチタニウムの装甲で守られており、K-36DM射出座席の後方には電子レンジや冷蔵庫と簡易トイレにキッチンが備わっているという噂です。このように長距離ミッションを非常に重視した機体であり、高度で複雑なミッションを支援するためにB004フェーズドアレイレーダーや後方警戒レーダー、空対地攻撃用の電子光学センサー・目標支持システムUOMZを装備するなどアビオニクスの面でもF-15Eに準じています。ちなみに、オリジナルのフランカーにあったIRSTはオミットされています。また、地形追随機能に関しては不明確です。

(今回のSu-34の配備先?のVoronezh Malshevo) 
 Su-34は今後Su-24系列の機体を置き換えていくものですが、海軍航空隊の装備するSu-24の後継としてSu-32FNという機体をスホーイは提案していました、このタイプでは洋上を安定して高速低空飛行する為の操縦システムや潜水艦への索敵・攻撃能力(ソノブイ・MAD・FLIR・レーザー測距儀)を備え、空軍型とは異なるレーダーを持ち地形追随飛行も可能とのこと。Su-32FNは海軍が採用をしていないため運用されていません。また、輸出型もSu-32のサブタイプとして提供されるようです。
 Su-34ノヴォシビルスクにあるスホーイの工場で生産されています。今後は生産性を高めることで2020年までに92機を納入する予定です。