Kindle Paperwhiteを買って1ヶ月目

 Kindle Paperwhiteが届いたのが11月19日なので、そろそろ1ヶ月が経とうとしています。Kindleの方はすこぶる快調ですが、Kindleを使っていて感じたことを書いてみようと思います。

1.Kindle Store
自炊にはいまいち向いてないのはわかっていながらも、最初は電子書籍の価格的な問題から自炊をメインにするつもりでした。ブックオフあたりで本を中古で仕入れて業者に裁断してもらえば、後はこちらがスキャンするだけで比較的安価に電子書籍をゲットできます。実際に試算をして詰めたわけではないので本当にコスパに優れるかはわからないですが、まあ電子化されてない書籍もあるわけで、自炊メインでStoreはサブの使い方をする予定でした。
 が、現実にはKindle Storeを多用しています。自炊には少なからず手間がかかりますが、Kindle Storeは1-Click決済なのでサクサク買えてしまいます。ネットワークに接続された状態なら、本を読了後に出る画面で関連書籍やシリーズ物の次の巻を提案してきたりして、ついころころと買ってしまいます。さすがAmazon。Storeの方も、コアでマニアックな書籍はありませんが、おおよそのところはカバーしており、(既に何回も述べていますが)誰が手を出してもある程度ヒットします。例えば、『1984』や『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』などがラインナップされており、前述の簡単な決済方法と相まって、「そういえばこの本有名だけど読んだことないな・・・読んでみるか」となった時に、つい購入してしまいます。Amazonで紙の書籍を買う場合と違って、電子書籍ならダウンロードが終わるとすぐ読めるので”読みたい気持ち”を冷ますことなく読書に突入できます。自ら本屋に行って(店員の作ったPOPとかの誘導もあるけど)ほぼ自ら能動的に本を探すようなリアルな本屋よりも遥かに気軽にKindle Storeでは本を買えてしまいます。恐るべし。

2.ハードウエア
 KindleはPaperwhiteからページ送りなどに使う物理ボタンがオミットされていますが、普通に使う分には不自由しません。タッチパネルになったことで直感的に辞書を引けます。しかし、やはり操作に伴う画面の汚れが気になる人も居るでしょうし、電子ペーパーのリフレッシュレートの低さに由来する「操作が受け付けられているのかどうかわからない」状態にはややストレスが溜まります。物理ボタンであれば、フィードバックがしっかりしているので電子ペーパーの応答が悪くても平気ですが、携帯と違ってバイブすらないKindleではタッチパネルの操作のフィードバックが無いので、画面の切り替わりが遅いと操作できているのかいないのか判別に困るところです。サイズの大きい自炊本や、Kindle Storeから買った本でも表紙(カラーだから?)を読み込むときは反応が悪くなりがちです。ただ、これがKindleの処理能力やストレージの速度に起因するのか、電子ペーパーのリフレッシュレートあるいはバッファの容量が小さいからなのか、判別ができません。しかし、これ以外の操作では快適なので問題はありません。バックライトも画面下部にムラがありますが相当神経質じゃないと気にはならないでしょう。読書を妨げるほどでもありません。電源ボタンはあまり大きくはないのですが押しにくいというわけでもありません。自分は純正ケースを使っているのでケースの開閉で電源ON/OFFされるためあまり電源ボタンは使っていません。

3.ソフトウエア
 Kindleも数世代目(5だか6だか)に当たるわけですから、かなり熟成されています。電子ペーパーでのスクロールはそのリフレッシュレートの低さ故に、非常に不愉快なものになりがちですが、Kindleの設定画面などではスクロールを全く要求されない等メーカー側がしっかりとそういった問題を把握していてよく練りこまれています。こういった点ではKoboと比べても優位でしょう。Nookとかは使ったことないので知りませんが。ユーザーを消費へと駆り立てる手法もAmazonだから抜け目はありません。その場ですぐ読めるという利点を最大に生かした本の提案と1-Click決済がユーザーを追い詰めますが、裏を返せばKindle Storeからわざわざ探さなくてもシリーズ物の続編をすぐに購入できたりするわけで、案外便利です。また書籍一覧画面では、表紙の下にどの程度その本を読み進めたかを示すインジケータがあります。なくても困らないといえばそうですが便利といえば便利じゃないでしょうか。読み終わるまでの残り時間を推測する機能は、面白いけど重要度は低いですね。時間に追われて1冊の本を読み切らないといけないわけでもないし。

4.Kindle Store
 大事なことなので二回言います。 
 電子ペーパー端末から操作するのにはあまり快適ではないのですが、とにかく端末だけで購入を完結できる点がいいです。もっともこれはKindleだけの利点ではありませんが、パソコンと独立して動けることは電子書籍リーダーを使用することの敷居を下げてくれますし、本のバックアップ自体(というか購入履歴)はAmazonの方に残っているのでわざわざパソコンでバックアップを取る必要もありません。iTunes経由で母艦にバックアップしてたのから、iCloudiOSバイスだけでバックアップできるようになったようなものです。
 電子書籍の価格ですが、確かに一部の本は書籍版よりもかなり安く、前述の『1984』の英語版などはたったの100円です。ハードカバー版は1200円ほどなので圧倒的な安さです。まぁ日本語版は電子版でも600円くらいするので殆どの人はそっちを買うのでしょうが、原著も読んでみたいとふと思った人には優しい価格です。また、そこまで値引き額が大きくない本でも、たいていは紙の本よりは安いです。例えば、紙の本も持ってるのについつい買ってしまった『這いよれ!ニャル子さん』などは電子版が1冊450円です。一方で紙の方は600円ほど。ブックオフで買えば紙の本でも1冊あたりの単価がだだ下がりでKindleで買うより安くなってしまうのでこっちのSAN値もだだ下がりですが、ブックオフなどのカジュアルな古本屋ではあまりおいてない本でもある程度安く買えるのは嬉しいですね。個人的にはハヤカワ文庫の本も沢山ラインナップされてて嬉しいのですが、『戦闘妖精雪風』も欲しいなーとか、J・F・C・フラーの『制限戦争指導論』もおいて欲しいなーと思います。特に『制限戦争論』は3000円くらいしますからね(書いてから気づいたけど4000円弱だった)。仮にKindle Storeで2割引の2400円で電子版が販売されたとしたら、紙の書籍の『這いよれ!ニャル子さん』を1冊余計に買うことができます。Lサイズを買ってみたら微妙に合わなかったオーテクのファインフィットもサイズを買い直せるので、ぜひ安く電子版を販売していただきたいところです。