ロシアは戦勝68周年の対独戦勝記念パレードを行った

 今年も例年通り、ナチスドイツとの間で1941年〜1945年にかけて行われた大祖国戦争(いわゆる独ソ戦)に勝利したことを記念した対独戦勝記念パレードが行われました。今年で戦勝68周年になります。

(↑セルゲイ・ショイグ国防相を歓迎する兵士たち)
 5月9日の戦勝記念日は1945年に祝日に指定されましたが、1948年には労働日とされました。しかしながら祝賀用葉書が発行されるなど祝日としての一定の価値は認められていました。戦後20年経った1965年、ブレジネフ政権下において再び祝日になり、これを機に対独戦勝記念日が広く祝されるようになったようです。ソ連が存続した間は、節目の年にはモスクワの赤の広場で軍事パレードが行われたものの、60年代以降はその他の多くの都市でも軍事記念碑あるいは戦死者の記念碑に向かって都市の市街地を行進し、記念碑などでミーティングや献花を行うパレードが独自に行われたようです。戦勝記念パレード以外(例えばクルスク沈没の犠牲者を弔う式典)などでも規模は小さいものの似たような形式が取られています。ソ連崩壊以後は、節目の年である1995年以降は毎年赤の広場でパレードが行われています。一時は途絶えていた装甲車両の参加も、2008年以降は復活しています。

 2013年の記念パレードでは、T-90戦車は参加しなかったようですが(訂正:参加してました)、BTR-80に30mm機関砲を搭載した改良型のBTR-82Aが合計13両パレードを行いました。
 自走砲パートではMSTA-Sが参加しました。防空車両では、自走対空ミサイルである9K37M2”ブークM2”(SA-17 グリズリー)が先陣を切り、2K22”ツングースカ”の後継である高射ミサイル砲複合体96K6”パーンツィリ-S1”(SA-22 グレイハウンド)と大規模な防空車両であるS-400”トリウームフ”(SA-21 グラウラー)があとに続きました。S-400のパレードへの参加もすでに一般的です。
 最後に、陸上発射型のICBMのRT-2PM2”トーポリM”(SS-27 シックルB)とSRBMの9K720”イスカンデルM”が行進しました。

(↑ロシアンナイツのSu-27とストリージのMiG-29)
 航空ショーには、2013年が1945年から68周年であることを記念して68機の航空機が参加しました。最初に、世界最重として有名なMi-26 ヘイローをMi-8 ヒップがエスコートしながらフライパス、その後にMi-28 ハボックとKa-52 アリガートルが続きました。
 固定翼機はまず輸送機のAn-22 アンテーイとAn-124 ルスランが飛行し、AWACSのA-50 メインステイと3機のIL-76 キャンディッド輸送機がフライパス。MiG-29、MiG-31、Su-24、Su-34が4機編隊で飛行し、可変後退翼を持つ超音速爆撃機Tu-22MZがあとに続きます。その次に空中給油機IL-78(NATO呼称:マイダス)が爆撃機Tu-160に空中給油の実演を行いました。さらにターボプロップ機である3機のTu-95が後を追いながらフライパス。さらに10機のSu-27Su-34とMiG-29がデモンストレーションを行い、有名なアクロバットチームである”ロシアンナイツ”(ルスキイェビチャジ=ロシアの勇者たち)のSu-27とストリージ("アマツバメたち"の意。MiG-29のロシア国内愛称はツバメ。)のMiG-29の合計9機がフレアをばら撒きながらフライパスしました(アクロバットはしてない模様?)。ルスキイェビチャジとストリージが合同でアクロを行うのは珍しいことではありません。
 最後の総締めとして、近接航空支援機のSu-25BMが6機でロシア国旗色のスモークを焚きながらフライパスしてパレードは終了しました。

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