ロシア空軍とフランス空軍は合同演習を行う

 RIAノーボスチによればロシア空軍とフランス空軍はニジニ・ノヴゴロド地域やトヴェリ地域で共同戦術飛行演習を行うと国防省のスポークスマンであるイーゴリ・クリモフ空軍大佐は語ったとのこと。「8月19日から22日まで州飛行要員トレーニングセンターおよびロシア連邦軍軍事試験所のあるとある空軍基地を要する空港でロシアとフランスの空軍の合同戦術飛行訓練が行われます。」とクリモフ大佐は述べました。彼によれば、MiG-29SMTとフランス空軍のノルマンディ・ニーメン戦闘飛行連隊のミラージュF1CTが混成グループを組み、地上目標の攻撃を訓練するとのこと。またMiG-29UBM練習機を用いた訓練がロシア・フランス混成グループに対して行われるようです。

(↑ノルマンディ・ニーメン戦闘飛行連隊のバッジ)

 イーゴリ・クリモフ空軍大佐の弁によるとフランス空軍の参加部隊はミラージュF1CTを運用するノルマンディ・ニーメン戦闘飛行連隊のようです。ロシア空軍にも第11航空軍隷下で極東ウスリースク付近に拠点を置くノルマンディ・ネマン戦闘飛行連隊がありますがニジニ・ノヴゴロド方面で演習を行うなら参加する”ノルマンディ・ニーメン”はフランス側のものでしょう。ノルマンディ・ニーメン戦闘飛行連隊はコルマールの第132空軍基地にミラージュF1CTを運用する部隊として展開していましたが、2010年に一度解隊された後、再度編成された際にラファールF3を運用する部隊としてモン・ド・マルサンの第118空軍基地に拠点を置いているようです。第二次世界大戦当時のノルマンディ・ニーメンの資料ならたくさんありますが近年の動向については日本語資料は見当たらず自分はフランス語がわからないので今回のミラージュF1がノルマンディ・ニーメン戦闘飛行連隊のものなのかは保証できかねます。

(↑ミラージュF1CT)
また、この演習ではテロリストへの攻撃を想定した内容が含まれているとノーボスチは伝えています
(以下記事要約)
 テロリストの基盤を破壊する”空中作戦”は露仏合同演習の最終段階で実施される見通し。この演習の考えにはロシアとフランスの空中部隊が国際テロリストグループを撃破するという内容が含まれている。
(要約終わり)
近年の動向を見てかロシア軍も中小規模な演習で”テロリスト対策”を主に謳うことが多い様に思われます。フランスが持ち込むミラージュF1CTは対地攻撃向けの改修が施されたタイプでありMiG-29SMTも全線戦闘機であることから相応の対地攻撃能力を持っており、主眼を対地攻撃においた演習が行われるのは間違いありません。
 ロシア軍は目下複数の演習を行っています。ロシア海軍は極東方面でプーチン大統領の号令による”抜き打ち大演習”と定例の演習を、ロシア陸軍はロシア、ベラルーシカザフスタンタジキスタンキルギスタンが参加する大規模な”Боевое содружество-2013演習”を行っています。こちらは参加国を見て分かる通りCIS諸国との演習に成っており、特に中国やアメリカも手を広げる中央アジアの構成国を含む演習です。