ロシアン・ナイツをエスコートするイラン空軍のF-14が目撃される

 F-14といえばトップガンで有名なあの戦闘機でAIM-54”フェニックス”を利用した艦隊防空任務を負う艦上戦闘機として知られており、かつて日本のF-XにおいてもF-15と次期主力戦闘機の座をめぐって争い、ゴルゴ13でもその事実をネタに登場し、F-15に模擬戦闘で圧勝しただの(眉唾ものですが)、日本ではVF-154 ブラックナイツの使用機だのでいろいろ有名ですが、蓋を開けてみると採用したのは米海軍とイラン空軍のみです。
 

(↑今日もイランの空をF-14が飛ぶ)
 イラン空軍は親米だったパーレビ王朝時代に、ソ連偵察機の領空侵犯対策にF-14とAIM-54を導入しました。選定に際してはイラン皇帝だったモハンマド・レザー・パフラヴィーが自ら操縦しF-15F-14を乗り比べたという逸話は有名ですが、実は彼はエジプトへ亡命するときにも自らB-727の操縦桿を握っています。
 それはさておき、イラン革命後はアメリカとの関係悪化により消耗部品の入手に滞りが生じ、イラン・コントラ事件のお陰で退役にまでは至らなかったもののかなり苦しい状態を強いられていました。
 
 これに目をつけたのがソ連で、MiG-29などをイランに送り込む一方でF-14の維持にも手を貸したため、イラン空軍のF-14はオリジナルとは大きく変わった「F-14の形をした何か」だとさえ言われています。機密の壁は厚く、F-14がイランにおいてどのような運用がなされているのかはよくわかっていません。消耗したAIM-54のかわりにホークミサイルを改造して載せている、戦闘機と言うよりは強力なAN/AWG-9レーダーを利用してAEW的な運用をされている、などと言われていますが・・・。

(↑牽引されるトム猫) 

 ここで、ロシアン・ナイツのエスコートにさっそうと現れたイラン空軍のF-14の写真です。IL-76やロシアン・ナイツ機から撮影された写真がリンク先には沢山ありますが

 この写真ではMiG-29のような塗装が施されているのがわかります。以前はイランのF-14はデザート迷彩だと言われていましたが、このような塗装に変更されつつあることが判明していましたが塗装変更も進んでいるようです。また、何らかの武装・・・太さからして中距離AAMらしきものをぶら下げているように思われます。
 
上の写真は実際にイランのF-14がホークSAMを携行しているという貴重なシーンですが、やっぱり今回F-14が装備しているのも”ホーク改AAM”なんですかね。

 なお、生態の詳細は不明です。ソ連・ロシアが維持と性能向上を支援したのは間違いないでしょうが、サエゲ戦闘機なんかで調子に乗っているのかイランは「自国開発の新世代F-14」を保有しているとのたまっているようです。レーダーとエンジンが国産になったとかなんとか。あと「分解修理」により「新世代の爆弾」を搭載できるようになったとか。いわばボムキャット化ですか。イランが持ってたのはF-14Aなので爆撃能力はオリジナルには無いはずです。

 あ、”サエゲ戦闘機”ってのは上の写真の奴の手前の青いので、F-5EとF/A-18を掛けあわせたみたいなゲテモノです。「見た目はF/A-18に似ているが性能は上回る」そうです・・・。無理やりストレーキ付け足して双垂直尾翼にしたように見えるんですが気のせいです。しっかしF-5にF-5が先祖のF/A-18を掛け合わせるとは近親相姦ですな。F-5→YF-17→F/A-18ですから、スパホまで数えても3親等に収まります。完全なアウト・・・アブノーマルにレーザー誘導爆弾ドストライクです。
 
 ちなみに、ペルシャの方のトムキャットなんでイランF-14は「ペルシャ猫」なんて呼ばれたりします。